第10章 潜入 *
「私が特殊な体質であること、その関係で今とある組織に入っていることを話しました」
煉「なるほど。ここに入った理由は?」
清「任務?と聞きました。ちなみに、藤葉ちゃんは旦那様と関係は持っていないと…」
「ちょっ…!清花さん!それは言わなくてもいいでしょう!?」
宇「え?手ぇ出したって言ってなかったか?」
煉「宇髄!」
月奈は顔を赤くし、杏寿郎は青くする。正反対の顔色に清花はクスリと笑う。天元は「悪い、口が滑った」と煉獄に謝る。杏寿郎の背後には笑顔の月奈。
「杏寿郎様、後で少し話があります。…ところで、お二人とも、鴉が…何かありましたか?」
あぁ、と二人は先ほどの伝達内容を月奈に伝える。
清花はなるべく聞かないよう気を付けながら気絶した男を観察している。
「任務離脱?私もですか?」
煉「そう指示が来ているが、宇髄は引き続きここの任務だそうだ」
宇「煉獄の任務についていけ、ということだろうなぁ。あいつはどうする?」
そう言って植木屋に視線を向けると、清花が立ち上がり三人に振り向いて微笑んだ。
清「藤葉ちゃん、この人のこと殺したいほど憎んでるって言ってたよね。本当に殺すのはダメだろうけど…社会的にこの人をつぶす事ならできるかもしれないよ」
「え?…しゃ、社会的?」
清「私に任せてくれる?鯉夏花魁にも相談するけれど、藤葉ちゃんに関する話は出さないよ」
しばらく考えてから、月奈は頷いた。何か復讐をしたいのは事実だ。
「お願いします。でも、清花さんに危険は無いですか?」
宇「…数日もすれば俺の嫁達が潜入するし、俺も引き続きここにいる。何かあれば俺も助太刀くらいはできるから心配ねぇだろ」
「…天元様と須磨さん達には迷惑をおかけしますが、よろしくお願い致します」
煉「では、藤葉を身請けする話をしに行くか。この男のおかげで話が早くまとまりそうだ」
宇「…確かに話は早そうだな…」
月奈が「その前に…」と部屋を出て行く。
月奈の後ろ姿を見送った清花は二人に向き直る。
清「先ほど藤葉ちゃんから聞いたのですが、そこの男にはそういったことはされたそうですが、最後まではないと。つまり未遂ですね」