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【鬼滅の刃】闇を照らして【煉獄杏寿郎】

第10章 潜入 *



自分を手に入れたいが為に、藤の花を枯らせた犯人。
弟の月哉を利用した犯人。

宇「植木屋…なるほど。植物には詳しいから思いついた事か…」

月奈がポツリポツリと話す情報から、先ほどの発言に繋がった理由が分かる。天元は改めて思った。

ー本当に普通の娘だったんだよな。

宇「で?月奈を身請けしたいって?それ程に月奈に懸想してんだなぁ、その男は」

「まさかここまで馬鹿なことをする方とは思いませんでした。…まぁ、今も昔もさほど変わっていないのかもしれませんが…私が気付いていなかっただけかもしれません」

宇「昔から?あぁ、なんだ派手に執念深い男なんだな。そりゃ苦労してんなぁ…あ、戻ってきたみたいだな」

勢いよく開いた襖に視線を向けると、杏寿郎が立っていた。傍らには植木屋を連れている、月奈を見ると植木屋の表情は明るくなるが、月奈の表情は対照的に険しくなる。

煉「宇髄、出てきて構わんぞ」

宇「お?大丈夫なのか?」

屋根から逆さに部屋を覗き込んでくる天元に気付き、月奈は驚く。

(いつの間に屋根の上に…)

男「月奈お嬢さん!早くこの男性に説明してください。僕と月奈お嬢さんは昔から通じ合っていたって!」

そう言いながらも近付いてくる様子が無いのは、両腕を杏寿郎に掴まれているからだ。

「私と通じ合っていた?戯言を…。妄言はいい加減にしてください。一度たりとて私は貴方にそんな気持ちを持ったことなど有りません」

宇「勘違いだとよ、お兄さんよ。残念だったな」

男「なっ!…貴方は誰なんですか!月奈お嬢さん、僕以外の男を知るなんて…っ!?」

顔を真っ赤にした月奈は、最後まで言わせずに植木屋の頬を張り飛ばした。張り飛ばした右手をぎゅっと握りしめて憎悪がこもった瞳を向けた月奈の姿にすら植木屋は喜んでいるように見える。

「貴方のせいで家族は死んで私はこうなったのですよ!」

男「だからこそ、身請けをして救うのですよ。あぁ、これでやっとすべてが僕だけのものに…他の男に触れられた場所を消毒しないと…」

「…消毒ですって?私を汚した人間が消毒などと笑わせないで!」

宇「煉獄、限界だ。そいつを黙らせろ」

天元が言う前に杏寿郎は男に手刀を喰らわせていた。
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