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【鬼滅の刃】闇を照らして【煉獄杏寿郎】

第8章 最終選別



ーでも人前では、俺が良いと言うまで朝霧で通してくれ。

そう話す雅雄に首を傾げた月奈は、雅雄の瞳を見てしのぶを思い出した。その瞳には悪戯な光が宿っていたからだ。

(まさか、どの人間も騙せるか試しているなんて…ちょっと変わった人だなぁ、でも面白そうだから協力することを決めちゃったけれど)

日中の会話の中で、双方の人と成りが分かった気がするが、鬼殺隊は独特の人間しかいないのだろうかと疑問が増えた。
自分の知る鬼殺隊の人間は、まともと言えばアオイとかだろうか…と考える。

(駄目だ、集中力が切れてる。夜なんだから気を逸らしていたら死んでしまう。気を付けなきゃ)

ハッと気付き頭を振ってから、また下の道を悠然と歩いている雅雄に呼びかける。

「他の受験者はこの周辺には居なさそうですね。つい、お名前を呼んでしまいましたが…」

雅「そうだね、鬼の油断も誘えることはあるから、次からは気を付けて欲しいかな」

そうでしたよね、すみません。と自分の記憶力に呆れながら謝る。ただのお遊びだけではなく、鬼の油断を誘うためとも最初に聞いていたのに忘れていた。

雅「それにしても、月奈さんの武器。手甲鈎といったかな?身に着ける武器だから扱い易そうだね」

出会った時に、武器にとても興味を持っていた雅雄。
どうやら、数人兄弟がいるが剣技の才があったのはただ一人雅雄のみだったようだ。ただ、他の兄弟もそれぞれに使いこなせる武器が違っていたようだ。
日輪刀と同様の素材を使って他の武器を作成できるのならば、隊士の家系を継ぐのは雅雄だけではなくなる。剣士だけにこだわっていては隊士を輩出しているというこの家の歴史は無くなるのではないか、と危惧していたのだ。

「使い易いです。しかし、首が切れる代物ではありませんので、あくまで護身用みたいなものですね。攻撃に相手が怯んだら脱兎の如く逃亡あるのみです」

自分の子が出来た時に剣技の才が無ければ、と考えて眠れないこともあった。だが隊士には種類がある。前線に立つ剣士が主の隊士と、事後処理部隊である隠だ。

ー月奈さんは隠を目指して最終選別に参加している。確かに、生き残れば剣士でなくとも隊士にはなれる。
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