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【鬼滅の刃】闇を照らして【煉獄杏寿郎】

第8章 最終選別



水が流れる小川のほとりに佇む人の姿を見つける。どうやら水を飲んでいるようだ。
自分が稀血ということもあり、あまり他の受験者と関わりたくないとは思っていたが、昨日ある事を考えていた。

(首を切ることが可能な受験者と協力出来れば、生存できる確率はぐんと上がるはず)

ただし、隊士達に支給される日輪刀は特殊な鉱石〔猩々緋鉱石〕と〔猩々緋砂鉄〕で作られている物なので、育手と呼ばれる育成者の元にいた受験者ならば、育手から借りている可能性はあるかもしれない。
月奈は意を決して、声を掛けた。

「あの、すみません…」

突然声を掛けられた人物は、傍らに置いていた刀を持ち振り向いた。その容姿を見た月奈は、驚いて声を発することを忘れる。

?「…あの…?何でしょうか?」

訝しげに眉根を寄せて見つめ返すその顔はとても美しい中世的な顔の造りだ。しかし、発する声は声変わりを終えた男の声だ。
見惚れていた月奈は、ハッと意識を取り戻し頭を振る。

「すみません。刀の使い手とお見受けして声をお掛けしました。ちなみに、その刀は日輪刀でしょうか?」

?「…日輪刀ですが、それが何か?」

(まさか、一人目で日輪刀を持つ受験者と出会えるとは幸先がいいかも!)

パァと表情が明るくなる月奈に、眉根の皺がさらに深くなる男。

「私は水橋 月奈と申します。実は日輪刀を持つ剣士を探しておりまして、私と手を組まないかと…」

?「…受験者同士が手を組むなどあまり聞いたことがありませんが。あなたは剣士では無いようですね」

月奈の持ち物を観察したのだろう。
夜しか武器を装着しないようにしている月奈は傍から見れば、山に迷い込んだ女というように見える。
あぁ、と頷いて、武器を装着した腕を見せると男の顔色が変わり近付いてくる。

?「これは!め、珍しい武器ですね!なんという武器なのでしょうか??」

「て…手甲鈎と言う武器です、あの、ちょっと…近いです」

男は少し背を仰け反った月奈に気付き、慌てて離れた。どうやら見たことのない武器に興奮しているようだ。
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