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【鬼滅の刃】闇を照らして【煉獄杏寿郎】

第2章 忘却と願い



「今からまた、お庭の散歩してきても大丈夫ですか?」

ベッドから足を下ろし聞いてくる月奈の表情は至って穏やかだ。アオイはふと昏睡から目覚める前に聞いたしのぶの言葉を思い出していた。

ー元々、月奈さんの体のケガに関しては、擦り傷ばかりで治療に時間はかからなかったのです。昏睡の原因は精神的なものかと…

そう言ったしのぶは眉根を寄せて目を伏せた。苦しそうに眠り続ける月奈の手を優しく撫でる。
それを聞いたアオイは、月奈が昏睡から目覚めた時、錯乱するのではないかと思っていた。なにしろ鬼に喰われかかっていた状態だったと、救出した方々から聞いていたからだ。

目覚めて最初は何かに怯えていたように感じたが、それももう無い。

ー鬼に襲われた記憶が無くなったということで、喜ばしいことかもしれないですね。辛く恐ろしい記憶を忘れるのは良いことです。ですが、思い出した時にどうなるのか…私にも分かりません。注意して看護にあたってくださいね、アオイ

起きているときは終始穏やかな表情の少女でも、眠っているときは夢にうなされていることが多い。
それは記憶を思い出そうとしているのを精神が拒否しているのかもしれない、とアオイは考えていた。



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