第2章 巨人ついに現る!
川沿いに三人で座っている。
私を真ん中にして、先程の成り行きを話した。
「―――それで外の世界に行きたいなって言っちゃったんだ。それからあんな事が時々あって、異端者って呼ばれちゃうし・・・。」
自分で言って落ち込んでいたら、二人にギュッと抱きしめられた。
二人とも少し震えている。
「ど、どうしたの?大丈夫?」
早く離してくれないかな・・・。ちょっと恥ずかしい。
満足したのか離れてくれた。
エレンは不満そうにしながら小石を川へ投げ込む。
「くっそー、外に出たいってだけで何で白い目で見られるんだ。」
「そりゃ・・・、壁の中にいるだけで100年ずっと平和だったからね。下手に外に出ようとしてヤツらを壁の中に招くようなことが起きないように、王政府の方針として外の世界に興味を持つこと自体をタブーにしたんだよ。」
エレンは王様がビビリすぎだと言っているが、正直しょうがないと思っている。
今の人間には、100%の確立で巨人には勝てないから。
でも・・・、
「本当に、それだけの理由なのかな?」
「自分の命を懸けるんだ。俺らの勝手だろ!」
命は懸けて欲しくないが、私も外に出てみたいから否定は出来ない。
そう思っているとミカサが口を開いた。
「絶対駄目。」
「・・・・・・。」
「・・・駄目。」
ある程度、予想はしていた。
ミカサは、エレンや私が傷つくのを極端に嫌うから。
唖然とミカサを見ていたエレンがハッと我に返り、怒鳴った。
私にじゃないよ、ミカサに・・・。
「そーいや、お前よくも親にバラしたな!!」
「え!?」
ミカサ、おばさん達に言っちゃったのか・・・。
「協力した覚えはない。」
ハハハ・・・、またハッキリと言ったなぁ。
エレンは、顔を歪めてミカサを見ている。
「で・・・、どうだった・・・?」
「そりゃあ、喜ばれはしない・・・。」
「そりゃそうだよね・・・。」
私の言葉に、エレンは眉を情けなく下げている。
不安なのか、そっと手を握られた。
「やっぱり、アルミンもやめろって言うのか・・・?」
その言葉に少し胸がズキリと痛む。