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大正鬼殺譚 〜炎柱の継子〜

第8章 那田蜘蛛山




長かった冬が終わりに近づき、
梅の花が、蕾をつけ始めた頃。

煉獄家はいつもの朝を迎えていた。


那田蜘蛛山…ですか?


ああ、十人以上の隊士達が、
その山で消息を絶っているそうだ。


朝餉を食べながら、
師範はその山の話を始めた。


もともと、
鬼が逃げこんでいった事が多々ある山でな。
逃げこんだ鬼自体は、
大した力のない鬼だった筈なのだが…

派手な動きがないため、
お館様も大きくは動いていないが…

十二鬼月が潜んでいる可能性がある。


…っ!
まだ柱は行かれないのですか?


美玖の問いに、
杏寿郎はゆっくりと口を開く。


…実は、美玖にお館様より
那田蜘蛛山への出動命令がきている。

今夜だ。


…っ!はいっ!



うむ。
そこでもし、十二鬼月がいると確信がもてたら、
すぐさまお館様に知らせるんだ。

その合図を待って、柱を送る事になる。

…難しい任務になるかもしれん。



師範はそれだけ言うと、口をつぐんだ。



確かに、危険そうな任務。
 
でも、、
しっかりやり抜こう。私に出来る事を。


こうして、送り出そうとしてくれているのだ。
私を信じて…。


師範!
必ずや、任務を全うし、
無事に戻って参ります!!


美玖の言葉を聞き、
杏寿郎は眉根を下げると、


ああ。気をつけるんだぞ!


と、声をかけてくれた。



ー…


その後、朝餉を終え、

部屋で隊服に身を包むと、


美玖は早々に那田蜘蛛山へ向けて歩き出した。




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