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大正鬼殺譚 〜炎柱の継子〜

第5章 変化





ー…


美玖の部屋をあとにし、

杏寿郎はこの家の家主、
蟲柱の胡蝶しのぶのもとへ向かう。


…しかし、
さっきはまずかったな…。

先程の自身の行いを思い返し、
一人反省しながら。


いくら心配だったとはいえ…
起き抜けに布団を剥ぐなど…

自身のあまりに配慮のない行動に
我ながら驚きを隠せない。


…まあ過ぎた事だ。

気にしていても仕方ない…が、


油断すると、先程目の当たりにした、
美玖の白い肌が脳裏に浮かんでくる。


……っ!
情けない…実に不甲斐ない!


10の頃より修行をつけているが、

当然の事ながら、
年頃の娘に成長した事を実感させられた。



そのような考えを巡らせていると、
あっという間に、胡蝶の部屋へ着いた。



ー…コンコンッ



はーい。どなたですか〜?


軽くノックをすると、胡蝶の声がした。



煉獄杏寿郎だ!
少し、失礼する!



そのまま中へ入ると、
胡蝶は椅子に腰掛けており、

自身の前にある椅子に座るよう促される。



煉獄さん、
急にいらっしゃるのでびっくりしました。


ああ、すまなかった!
お館様より、上弦の参と出会したと聞いてな。
胡蝶は上弦の参の姿を見たのか?



そうでしたか…それで。
実は、私は残念ながら会えていないのです。

私が行った時には、
美玖さんが気を失って倒れていて、
どのような鬼だったか聞いただけなんです。



…そうか。

美玖は、十二鬼月と
遭遇する事が多いな。



そうですね。
柱ですら、なかなか遭遇する事もないのに…。

…まだ、任務へ送り出す気になれません?



…その事でな。
色々、心配をかけてすまなかった!
柱として、不甲斐ない!

今後は、しっかりと任務に出そうと思い、
今日は迎えに来たんだ。



胡蝶はそれを聞いて
にこっと微笑んだ。



なんだか、吹っ切れたようですね?
美玖さんが居なくて、
寂しかったですか?



ああ!
やはり居ないと落ち着かないな!



…こんなにも、大事に思っているのに…

…本当、鈍感な方…。



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