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大正鬼殺譚 〜炎柱の継子〜

第1章 継子





師範に抱きつき、
わんわんと泣き出す私。


子供にするように、
師範は背を撫でて、


よくやった。頑張ったな。


と、なだめてくれた。



ー…

ー…


えっ?

次に意識が戻った時、

私の視界には

見知った、煉獄家の天井が広がっていた。



私…そっか、

師範に会って安心して、
そのまま眠ってしまったのかな…


はだけた浴衣を手早く直し、

廊下へ出ようとすると、


師範が目の前に居た。


…!
し、師範?!


師範は目を瞑ったまま直立していた。


私が声を上げると、
パチッと目を開いた。


起きたか!
体の調子はどうだ?


あ、はい!もうすっかり!
私、あのまま眠ってしまったのですか?


そうだ!
あれから五日、眠り続けていたぞ!


え、五日も…!


ああ!
目を覚さぬのではないかと、
さすがに心配になったぞ!

まあ、起きてくれて何よりだ!


私の想像以上に、

私の身体は悲鳴を上げていたんだな。


よし、美玖、
湯の用意をしてある。

そのまま行くといい。

風呂が済んだら、
昼餉を摂るとする。


師範に言われて気付く、

最終選別に出てから今日まで

私、お風呂に入ってない…!!


は、はい!
すぐに戻りますぅ〜!!


顔から火が出そうだった。
私、臭くないかな…臭いよね…?!
そんな状態で師範に抱きついちゃったなんて!


湯に頭の先まで浸かり、
身体の隅々まで、
しっかりと洗う。


少し、長湯してしまった。

久しぶりのお風呂は、
至福の時だった。


替の浴衣に着替え、居間へと向かう。


襖を開けるやいなや、


美玖!(さん)
最終選別突破、おめでとう!!


師範と千寿郎くんが、
大きな声とともに迎えてくれた。


〜…っ
はいっ!ありがとうございます!


さあ、腹が減っているだろう!
皆で食べるとしよう!


美味しそうなご飯の香りに、
お腹がぐぅー…と鳴ってしまった。


ははは!
腹で返事をするとは!

さあ、では、いただくとしよう!


恥ずかしい…。
けど、そんなことより、
本当に腹ぺこで死にそうだったので、

黙って席についた。



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