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大正鬼殺譚 〜炎柱の継子〜

第3章 蝶屋敷





…よし!
悩んでいても仕方ない。

胡蝶さんの屋敷へ行こう…!


蟲柱である胡蝶さんは、
物腰が柔らかく、
とてつもなく頭もいい。

何か、いいアドバイスが頂けるかも!

そのまま部屋に戻り、
隊服に着替える。

師範から譲り受けた羽織りも身につける。

…そうだ…!

以前、蝶屋敷でお世話になった時、
胡蝶さんから、
蝶の髪飾りをもらったんだっけ。

折角会いに行くのだし、
つけていかないのは、無礼かも。


まだ、一度もつけていない
髪飾りを引き出しから取り出す。


炎の呼吸を思わせる、
赤や橙、黄のグラデーションに、
揚羽の模様が美しい髪飾り。


後ろの、高い位置で髪を括り、
髪飾りをあしらう。


…よし!…完璧!


身支度を整え、部屋の戸を開ける。


あ、美玖さん、
お目覚めになられたのですね!

廊下へ出ると、
ちょうど千寿郎が通りかかった。


千寿郎くん!
えっと…寝坊しちゃった…!
けど、おはよう!


はは!おはようございます!


ふふっ…うん。
あの、師範は今、、


兄上なら、
今日は用事があるそうで、
先程外へ行かれました。


 そうだったのか…。


そうなんだ…。
じゃあ、千寿郎くん、
私はこれから胡蝶さんの屋敷に
お邪魔しようと思ってて、、


蟲柱様のお屋敷ですか?
少し、遠いかと思いますが…。


うん。だから、
図々しいけど、
泊めて頂くつもり。

師範には鴉を飛ばしておくから!
じゃあ、行ってきます!


はい!美玖さん、お気をつけて!


千寿郎くんに軽く言伝して、
鴉に手紙を括り送りだす。


台所で、握り飯を作って、
蝶屋敷へと向かった。



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