誇り高き魂【JOJO3部】【空条承太郎】【花京院典明】
第6章 銀の戦車戦
ジュー……焼けた匂いと音がする。もちろん分かっていたこと。典明くんと承太郎くんの戦いでも血が出ていたし、分かっていたことだ。
それでも何故か…目を逸らしたくなって彼から…ポルナレフさんから目を逸らしてしまった。
「恐るべき威力ッ…まともに食らったやつのスタンドは溶解してもう終わりだ!」
「ひでぇ火傷だ、こいつは死んだな。運が良くて重症…いや…運が悪けりゃかな」
「どっちみち3ヶ月は立ち上がれんだろう。スタンドはズタボロで戦闘は不可能」
「さあ、ジョースターさん。エジプトへの旅を急ぎましょう」
えっと…まあ、もちろん敵だから…おいていく、よね。
私は逆にポルナレフさんを覗き込んで様子を伺ってしまった。
ガチャンガチャン、そう鎧のハゲる音と腰になにかを添えられる感覚がした。
そして何かが打ち上げられたように見えた。スタンドの…鎧……??
「なっなんだ!?やつのスタンドがバラバラに分解したぞ!?」
「…!?美紀子さんが居ない!少し目を離した隙に…!」
浮遊感が私を襲った。
思い出して怖くなった。
"あんたみたいな気持ち悪い金髪とみどりの目はこっから落っこちてしまえ!!"
『っ……!!』
……片手でポルナレフさんに抱えあげられていることに意識が戻ってきて…フラッシュバックで泣きじゃくることも、倒れることも無くて…。酷く安堵したが、酷く疲弊した。
「やつが美紀子さんを抱えて空を飛んだ!」
パチパチパチ…1人の拍手が響き渡る。
「ブラボー!おお……ブラボー!!」
「こいつは!」「信じられん」「ピンピンしている」「オマケに美紀子を片手で抱えてな。…しかし、やつの体がなぜ宙に浮くんだ?」
ポルナレフさんは不敵に笑っている。
いや、私は…それどころじゃない。
実はお恥ずかしながら男性に抱えられたことなど生まれて初めての経験である…!!
『…うぅ…!!おっ下ろしてください〜!!』
「おや…レディにはこの高さは辛かったかな?」
『〜!!余裕ですか!?私、男性に抱えられるなんて初めてなんです!!離して!!超!恥ずかしい!!ねぇ!!』
この際なりふり構って居られない。
『アズリエル!!!』
「おっと…」
ポルナレフさんは器用にアズリエルの大鎌を避けて、私も離さない。だが、避けたことで少し隙が生まれた。