第3章 『火照る身体』誰でもエルヴィンSS8月
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「エルヴィン、夢を諦めて死んでくれ」
膝をつき俺に引導を渡す兵士長の姿を眺めていた。それでいい、今度こそ俺の死に場所が決まった。
「リヴァイ、ありがとう」
新兵たちに演説をする前に、最期にリヴァイの姿を見たい。出会った当初はこんな風に思う時が来るとは思わなかった。
「リヴァイを見なかったか?」
まだ何もわからず、不安そうな顔の新兵に聞いてみる。
「さっきまであそこに腰を掛けていらっしゃいましたが・・」
何かが俺をその場へ駆り立てた。地面には水が落ちた跡。
「強情だな」
苦笑してその場を去り新兵を集める指示を出した。最期の瞬間思い出すものは、彼女かもしれないし、夢を見つけた子供の頃のことかもしれない。どちらかは分からないが不思議と寒くも怖くなく、温もりだけを感じる。
左手に力を込めて兵士たちの元へと足を進めた。
——Fin——