第24章 スルタンコラボ続き 〜睡蓮の恋〜
どうした事だろう…
ジャナが
ここまで時間に遅れた事があっただろうか。
いつも決まった時間に
夕食の支度をしにくるジャナ。
同じく、朝食も昼食も、
遅れることなんか無かったはずなのに。
こうして待っている時に限って来ないとか。
ほんと、思い通りになんかならないもの…。
しつこく絡みつくような
わざと熱を植え付ける口づけを繰り返されて
…
ジャナが来るまでと呪文のように
自分に言い聞かせていた私だったけれど
もう堕ちてしまう寸前だった。
「…ま、って…くるし…ぃ」
いつの間にか彼の腕は、
仰向けに横たわる私の首の下に通されていた。
続け様のキスに呼吸が継げなくて
顎を引いて酸素を取り込んでいると
腕枕をしているその手が
私の耳を擦って来て
「…っひぁ…」
咄嗟にそれを止めようとして手をかけると
意地悪をされるかのように
太い指が奥に押し込まれて
「や…、ぁんっ」
責めるような視線を送った瞬間、
再び降ってきた唇。
耳奥をくすぐられながらの口づけは
おかしくなってしまいそう。
弱いのを知っているくせに
わざとそんな事をするの。
「…んっ…んぅう!」
やめてと言っても聞かないし
それどころか平気で弱い所を攻めてくる。
これ以上進められないように肩を竦め、
悪戯な手をやめさせようと力を入れて掴んだ。
ちゅ、と音を立てて離れた唇が
やめてやらねぇよ、と小さく呟き
耳から抜いた手が
今度は私の手を掴み…
指を絡め合って
ぎゅっと強く握られた。
その手をぐーっと
頭の上まで持ち上げられる。
「ジャナ、…がっ」
「お前の侍女ならもう来たし」
しれっと言った天元は
ペロリと私の唇を舌でなぞった。
……来た⁉︎
「い、つ⁉︎」
「んー…」
「いつ…ッ⁉︎」
天元はすぐに答えもせず、唇を弄ぶ。
そのうちのんびり、
「お前がぁ、耳が善くてあんあん言ってる時?」
悪夢のような話を語った。
「ノックの音も、聴こえなかったろ?」
「知っててわざと…っ」
「俺らを見て、すぐに去った」
キッと私が睨むと
そっと寄せた、少し開いた唇を
触れそうな所でふと止めて
「お前、忘れてんじゃねぇか?」
私を強く睨み返した。
「俺が気ィ立ってんの」