第24章 スルタンコラボ続き 〜睡蓮の恋〜
「…うん」
「それなのにアシルには毎日会ってたのか?
しかもお前から会いに、行くのかよ」
あっという間に、
俺の胸に広がる黒い物。
「そ、そんな言い方しないで…
変な意味じゃないんだから…っ」
「それでも…」
俺は睦の額に自分のそれをぶつけた。
「気に入らねぇ」
自分でもみっともねぇと思うほど
嫉妬心丸出しの声を絞り出し、
顔を押し付けるような口づけをした。
「…っ!」
息を詰める睦は
甘んじて俺を受け入れる。
いい心がけだ。
こんな時に抵抗すれば、
もっとひどいことになる事を
こいつはわかっている…?
睦を抱きしめるのに、
ソファの背もたれが邪魔をする。
睦が素直に俺を受け入れているというのに。
煩わしくなった俺は
抱きしめた体制のまま小さな体を持ち上げた。
睦は抱き上げられて
驚いていたようだが
俺は隔たりがなくなって大いに満足。
落とすわけはないが、
落とされまいと必死にしがみつく睦が
可愛いような可哀想なような…
だから俺は
そのままベッドへと向かったんだ。
…この後、何があってもいいように。
それなのに、
「やだ待って!何する気⁉︎」
それが、
ベッドに背中が付いた途端の睦の言葉だ。
何をする気かと、…?
この状況でいう言葉かね。
「別に。何でもするが…?」
「何でもってなに?おかしな事しないでよ」
勝気な瞳。
俺に対して唯一、こいつだけが向ける目だ。
この目が、欲にまみれていく様が
たまらないんだけど…。
「おかしな事ってのは何を指してる?」
「もうすぐジャナが夕食の準備に来るから」
あー…
そーいう事。
「俺、これでも気ィ立ってんだけど」
「後少しだけ、落ち着いて」
「んな事できりゃ苦労しねぇわ」
だから、俺は構わずキスの続き。
無駄だとわかっていながらも
ベッドにそれ以上出来ないくらい深く沈み込み、
逃げの姿勢を見せる睦。
「侍女が来るまでってんならいい…
それまでキスだけで待ってやる」
お前が我慢出来ればの話だが。