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【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第23章 こいびとおにいちゃんズ。の彼女





「…ごめんなさい…」

別人、という言葉が
何故だか責められているように聞こえて、
あぁやっぱり、いつも通りいればよかったと
少し後悔をした。

「何でごめんなさい?」

「だって、いつもと違うの、ヘンでしょう?」

「いやー?間違いなく可愛いな」

……

「可愛い…」

「あぁ、俺のこと欲しいんだろ?」

「うん」

…あ!

「ううん!違う!」

「もう遅ぇし」

ぷっと吹き出す天元が
間違いなくいつも通りで
そのおかげでホッとした私は
つい涙が出そうになった。

「いつもの私の方がいい?」

「いつもの睦って?
抵抗して逃げようとする睦?」

「…うん」

「まぁそれもいいな。
多少強引にするのもイイからな。ただ…
俺を翻弄する睦も悪くねぇよ?
可愛いカオしてヤる事ヤってくれんのも
最高にそそるからな…」

頬を擦り寄せて来る天元の声はひどく優しくて
話の内容はさておき
私の不安をすべて取り除く勢いだ。

「結局、どっちがいいの…?」

「なんだよ、俺に合わせようとしてんのか?
それは違うぞ睦」

私の顔のすぐ横にいる天元が
くるっとこちらを向いたのがわかり、
私もそれにつられてそちらを向く。
ぴたりと目があった私に、
微笑んでみせた天元が

「俺はお前がいいんだよ」

今度は私に告白をし始めた。

「睦のする事が好きなんじゃねぇ。
睦の事が好きなんだ。だから、
お前がなにしようが俺は睦の事が好きだ」

……難しい。
難しいよ、なんて言ったの?
私の事が好き?
一瞬で流れ落ちて行った言葉を拾いきれず
少し悩んでいる私を見て、
またちょっと笑った天元。

「いつも通りだろうが違っていようが
俺は睦だけを愛してるって言ったんだよ」

そうひと息で告げて

「話はもういいだろ?早く来いよ、待てねぇから」

直接的に私を誘う。

「あ、…」

彼の膝の上に横座りをしていた私の片方の脚を抜き
腰に跨るようにして向かい合わせになった。

「さ、今日の睦は積極的だから
俺の事してくれんの?それとも、
いつも通り、してほしいの?」

準備万端だと言わんばかりに
次の行動の確認を取る。

私のために
2通り用意してくれる優しさはさすがです。


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