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【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第23章 こいびとおにいちゃんズ。の彼女







宇髄さんのお屋敷を出て、
1人、家路につく。

足が重い。
鉛みたい。
帰りたくないって足が言っている。

あぁ…なんでこんな事になったのかな…。
原因が全くわからない。
別に何もしていないはずなのに。
実弥さんが短気なのは知っている。
でも、それを差し引いても全然わからない。
雰囲気の悪いまま屋敷を出てきてしまった。
故に、帰りにくい…

彼とはとはもう長い。
長いからこそ
何でも言い合える仲になりたいのに。
ある程度、言い合えると思っていた。
でももしかしたら、そう思っているのは、
私だけなのかも知れないと思った。

私は多分、気が強い。
彼が怒鳴ったところで怯みはしない。
でも女である以上、可愛いと思われたい。
好きな人にくらい
可愛い女だと思われたい…。
だからこそ色々と頑張るけれど。

優しくしろとは言わないから、
せめて訊いたら答える、くらいしてほしい。

見慣れた道を行き、自宅はすぐそこ。
あぁ、どんな顔して会おうかな…。


門をくぐり玄関を抜ける。
どうしたらいいのかわからないままの私は
あんまり顔を合わせたくなくて
取り敢えず自分の部屋へ籠ろうと
廊下を早足で進んだ。

あぁ、もうすぐ私の部屋。
襖を開き、いざ中へ、
というところまで来て、

「帰ったかよォ…」

という、地獄の底から響いて来そうな声が
背後でしたのだ。

あー…ものすごく機嫌が悪そう…

そりゃそうか。
あんな中途半端に飛び出したりしたら。
話をしている途中で、
置き去りにしたわけだから…。
でもあの時は私だってもう限界だった。

大きな声でわぁっと色々言われて
わけがわからなくなった。

原因は何だっけ…?
あぁそうだ。
私が始めた話がきっかけ。

この間、
1人で家にいた時の話。
実弥さんはお出かけしていて不在だった時。

最初は実弥さんも、
普通に相槌をうってくれていたんだ。
でもある所に差し掛かった時
急に目つきが変わった。
それはわかったのだけれど、
理由まではわからない。
それなのにいきなり声を荒げられても
私は困るだけだ。

「中はいれ」

ぐっと背中を押されるけれど、
私はそれに逆らった。
一緒に入る気なんてない。

「睦!」


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