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【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第21章 スルタンコラボ企画 〜睡蓮の昼寝〜





不安と恐怖に呑み込まれそうになった時
ジャナが他の侍女を連れて
俺の元へと駆けつけた。

「王子様、睦様をお連れします!」

そう言って
丁寧に睦.を俺から引き剥がす。
反射的に、抱き寄せてしまった俺に
にこりと笑って見せて

「私にとっても睦様は大切なお方です。
必ずお救いします!雛鶴様には
一足先にお伝えしてあります。
早くお連れしなくては…
睦様が危険です」

「そう…そうだな。睦を頼んだぞ」

「はい!」

本当ならずっとついていてやりたい。
ずっとそばにいたい。

でも、片付けなくてはならない事が残っている。

俺に呼ばれて入ってきた、待機していたアーディルと
他の上役たちがアシルと対峙していた。
対峙と言っても、
アシルは衛兵によって取り押さえられ
床に膝をついて両腕を取られている状態。

王子という立場故か
縛に就いてはいなかった。

暴れるでもなく、
おとなしくその場にうずくまっているアシル。
黙って見下ろすと
その視線に気づきこちらを見上げた。
見た事もない表情。
さも満足げな。
俺はそれに向かって、

「…気は晴れたか」

「あの女が死に、お前が嘆き悲しむまで
気など晴れはしない」

「睦は死なさねぇ。
俺が嘆き悲しむ事はねぇ」

「……リズク、お前には
出来ない事はないのか」

「ねぇなぁ。俺はやるからな。
出来ねぇんじゃねぇんだよ、やるんだ。
その覚悟がお前との差だ」

そう言い切ると、

「そうですよ。
天元様がどれだけ努力されていたと
お思いですか?
幼い頃、夜夜中まで、人が見ていない所で
毎日お勉強されておられましたものねぇ。
陰ながらの努力、なんて健気なのかと
私涙しておりました…」

俺のすぐ後ろに控えていたアーディルが
緊迫した雰囲気を和ませるような長台詞を吐く。

………。

「……あのよー、そーゆーのはさぁ、
言うべきじゃねぇよなぁ?しかも今かよ」

「あら、今だからですよ。
何事も努力なしには語れません。
天性というのもございますが、
ほぼ努力の上に成り立つものです。
信頼も、自信もすべて」

アーディルはここぞとばかりに
アシルに言った。


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