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【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第21章 スルタンコラボ企画 〜睡蓮の昼寝〜





なのに天元の声だけは
嘘みたいにはっきりと聞こえるんだ。
まるで私の耳が
彼の声だけを追っているかのよう。
そばにいてくれてるって
感じられるみたいで嬉しかった。

「天元…天元」

朦朧としながら名前を呼ぶと

「睦!喋るな」

彷徨わせていた私の手を強く握ってくれる。

「ほんとにあいしてるの。
うそなんかじゃないの…」

半分くらい、
自分でも何を言っているのかわからない。
しっかり話せているかなぁ?
伝わっているのかな……

「ちゃんとわかってる!
俺も愛してるから…!」

ほんとかな…
よかった…

息が苦しい。
指先も痺れてきた。
しかもものすごく寒い。
震えてるんじゃないかな…。
視界は塞がっていくし
やけに心臓がうるさいんだ。
あぁやっぱりさ、

本当に空が落ちてきたんだな…

















あのアシルが、
こんなに簡単にしおらしくなるなんて
天と地がひっくり返っても
あり得ないことだ。
そんなの最初からわかっていた。

ついでに言えば
幼い頃から、俺を憎んでいる事など
とうにお見通し。
自分で何とかする前に
負の力を誘き寄せてしまったのだなぁと
ひどく残念に思っていた。

でもそれで、…
俺を憎む事で自分を保てるのなら
おとなしく憎まれてやろうと
黙って見守る事にした。
見た感じ、周りとはうまくやっていたし
穏やかに対応できていたから。

でもここへ来て、
睦が巻き込まれていた事が判明した。
まさかの事態だった。
この2人がいつ接触したのか。

見覚えのない指輪を身につけていた事に
気がついていたというのに…
もっと強く追求しておけばよかった。
…判断を見誤ったんだ。
誰からの贈り物なのか、
そんな嫉妬にも似た感情に囚われていたから。

「睦…!」

顔だけじゃなく、
いつもはツヤやかで綺麗な唇まで真っ青だ。
呼吸が出来ていない。
意識が遠のいているのか返事もしない。
仕舞いにゃ激しく震え出して
寒そうに身を縮め出すから
ソファにかけてあった睦の肩掛けで
包んでやり、更にぎゅっと抱きしめた。
するとやけに心臓が強く脈打っていて…

このままじゃ、喉奥に押し込んだ
解毒剤が効くまで持たねぇんじゃないか。





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