第21章 スルタンコラボ企画 〜睡蓮の昼寝〜
途端におとなしくなった私を
そっとベッドに下ろして、
それを追うように自分の体もそこへ横たえた。
ガチガチに身体を強張らせる私に
ふっと笑いを洩らし、
全身で抱き寄せてくれる…。
少し冷えた空気に、
彼の高い体温は心地よくて
こんな状況だというのに、ほんの少しだけ
気が緩んでしまった。
そっと抱き寄せられて、
……そのまま。
そのままだ。
……。
「…なに、してるの…?」
「…寝てんだよ」
「寝てる…?」
「夜は寝るモンだ。当たり前だろ」
言葉通り、当たり前のように言い放ち、
更に私を優しく抱き寄せる。
「……」
「…期待してんじゃねぇよ」
目を閉じたまま、しれっと言う…
「きっ期待なんかしてないっ!」
「ああうるせぇな。
俺は疲れてんだよ、お前も早よ寝ろ」
「…ッ…」
…くそぅ。
悔し紛れに、
私に絡まる腕を思い切りつねってやった。
それなのに、
「おうおう、くすぐってぇなぁ…」
なんて、鼻で笑う…。
むっかつく!
ぎゃふんと…!
鼻を明かしてやりたい!
ひとり憤慨していたのに、
目の前の男ときたら
余裕で寝息を立てはじめ、
残されたようになった私は
なんだか淋しくて………
淋しくて…?
淋しくなんかない!
閉じた瞼の裏に、
ほの明るい光を捉えて
私は目を覚ました。
昇り切らない太陽。
夜明けの冷えた空気はいつも私を冷やすのに、
この、今日の暖かさと言ったら
なんとも幸せで…
「…おはよ」
そんな声が聞こえて、
え⁉︎と、目を開けようとした瞬間、
唇に柔らかいものが押し付けられた。
「っ…」
開き切った視界。
飛び込んで来たのは、
そういえば
昨夜共に眠った王子サマのドアップ。
押し付けられた唇が、
するりと角度を変えて深まっていく。
「…っん、ふ…。んん、!」
起き抜けのキスにしては刺激的。
横向きに寝そべり向かい合っていた私たち。
両腕で腰を支えられて、
私は背を反らす。
少し唇が離れた瞬間、
「い、やだって…ば!」
思い切り抵抗するのに、
そんなの全く気にしないまま
私の夜着を簡単に剥いで
素肌に手を伸ばす。
腹を撫で上げられ、
その先の膨らみを大きくてあったかい手に掴まれた。