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【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第19章 思い出 ☆彡






「…すきよ」

たった一言。
それが俺の心を震わせる。
その声で、俺が狂っていく。

「もっと言ってくれ」

「……」

「睦、」

「…すき」

俺の言うことには抗えない。
睦は頬を真っ赤にしながら
俺の願いを叶える。

だから俺はその褒美に
小さな口づけをやった。

「ん……だいすき」

俺に、そうされるために
想いを伝えているように見えてしまう。
…都合いいよな。
俺が言わせてるっていうのに。

何度目かの告白を受け、
同じ数だけの口づけをした時、

「…ん、…もう、赦して…」

睦がとうとう音を上げた。
頬を染め上げ、熱い吐息。
完全に出来上がっているように見えるのに
赦せなんて言ってくる。

俺を拒むなんて、許さない。

本格的に口づけをしようとしたその時、

「……」

睦がハッと時計を見た。
見て、動きが止まる…

「……どうしたんだ」

「…子どもたちは?」

あぁ…

「遊びに行ってるよ。『にーたん』ち」

「にー……煉獄さん?」

「ご名答」

「何で急に…」

「急でもなかったみたいだぜ?
向こうには約束取り付けてあったみたいで
今朝迎えにまで来たからなぁ…」

「え…っ⁉︎」

睦はぐりっと首を回して俺を見る。

「…お前は知らねぇだろ?
爆睡してたからな」

ぽかんとしている睦は
ただ俺の顔を見上げている。
本当に何も気づいていなかったらしい。
お疲れの睦ちゃんを
起こさずに済んでよかった。

「…安心して、シてられるなぁ?」

ぱくっと
睦の唇に食いつく。
びくりと、過剰なくらい反応した睦は
やっぱり出来上がっている。

にやりと笑ってしまう俺を
怯えたように見上げた。
…怖がらせる趣味はねぇ。

のしかかったまま、
睦の額に唇を寄せる。

「あいつら、煉獄のこと好きな」

「…そだね。煉獄さん、安心するもん」

目を閉じて嬉しそうにする睦…
胸中複雑な俺は

「優しいし、」

どうにか睦の、

「頼り甲斐あって、」

気を引きたくて、

「とっても…っひあ!」

首筋に噛み付いた。




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