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【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第1章 嚆矢濫觴




「………はい?」


ちっせぇ?

私は少しムッとして彼を見上げる。
……でもこの身長差、
そう言われても仕方ない。でも
初対面の人間に、わざわざ言うことではないと思う。


そんな思いが顔に出ていたのか
大男は顔をそむけて
ぷっと笑った。


「わかりやすいヤツだな」


大きな手で口元を覆う。


「でもお前だって、俺の事でかいなと思ってんだろ?」


…確かに。
さっきから心の中で
大男大男と言っている…。
つい目を伏せる私。
人の事は言えないか。

もう一度くすりと笑うと


「この店の物の仕入れはどこからだ?」


本題に入った。


「これらは私の手作りです」

「ん?」


驚いたように私を見て、


「全て、お前の?」

「はい。ですので、ここにしか売っていませんよ」


私は店員に戻り、営業スマイル。


「なんでメシ屋じゃないんだ?」

「は…?メシ?」

「いや、こっちの話しだ。それにしても
大したもんだな」


あら。


「ありがとうございます」


褒めてもらえたのかな。
話しのついでに


「恋人にですか?」


気になっていた事を訊いてみる。
すると彼は


「いや、恋人なんていねぇ」


とあっさり言った。
あれれ、


「では、あなたが?」

「俺がつけるには可愛らしすぎるな」

「…そうですよね」


女性に合わせた華奢なデザインが多いのだ。
…ん?


「じゃあ何でこの店に?」


私が訊くと


「………」


少し考える風にして、


「俺も、嫌いじゃねぇからな、こういうの」

と、言った。


「…そう、ですか」


何となく、
違和感のある返事だった。
会話が途切れた所でちょうど良く、


「睦ちゃん!」


入り口から可愛らしい声がする。
この店によく来てくれる蜜璃ちゃん。
お店を開いた頃にお友達になってくれた。



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