第14章 可愛い邪魔者

「勘違いしといた方がお前のためかもな」

「……」

それは、…恐ろしいやつでは…？

「今日はなぁ、いいと思ったんだがなぁ…」

そういいながら、帯を抜き去り着物を脱がす。
私を愛しげに見下ろして

「やっぱダメだったな」

それでも少し困ったように言った。

何の事？
今日はいいと思ったのにダメだった？って何？

私のその思いが表情に溢れていたらしく、

「お前がそばにいりゃいいと思ったのに、
やっぱ抱き潰したくなっちまったっつってんの」

わかりやすく説明をしてくれた…が…
抱き…つぶ…⁉︎

「つ、潰さないで‼︎」

「何を今更…いつもの事じゃねぇの」

にこにこと迫って来る天元。

「いやいやいやいや！遠慮します！」

「いつも淫らにおねだりする睦ちゃんが
何をおっしゃるやら」

嬉しそうに言いながら
襦袢の合わせを押し開き
無遠慮に顔を寄せる。

「そっそんなことしないもん！」

「あれー？覚えてねぇの？ウソつけ」

こちらを一瞥してから、
彼は私の肌に囁きをうずめた。

「天元のおっきいのちょうだいって
あんなに可愛く泣くくせに…」

「や…言わ、ない…」

胸の頂には触れず、
やわやわとくすぐるような愛撫をされて
少し、物足りなさを感じてしまう。

…そんな事を思うなんて、それこそ…

私はひどく恥ずかしくなってきた。

「…恥じること、ねぇのに…そこが…可愛い…」

相変わらず鋭い彼は、私の胸の内を言い当てる。
身体を辿るいたずらな手のおかげで、
私の熱はどんどん上がっていく。

「…睦、また…俺のこと誘惑しろよ」

「んっ、…そんなの…できない…っ」

乳房を下から持ち上げるように揉まれ、
私の身体に火をつけていく。
日々植え付けられた快感が呼び覚まされていく…

結局、こうなるの…
どうしたって、私はこの人を許してしまう。

それは、私が天元を愛しているから。
天元がくれる情欲に、溺れたいから。

そんな自分の想いに気がついてしまった私が
戸惑って二の足を踏んでいると
やっぱり素早く察知した天元は

「お前の、婀娜っぽいとこ…見てぇんだ」

自分こそ色気を帯びた目をこちらに向けた。