第13章 輪廻
可愛い女の手を引いて自宅へと戻った。
外でがっつり2回戦を終えた俺たちは
その場で眠ってしまいたいのを何とか凌いで
やっとここまで辿り着いた。
もう真夜中だ。
睦はもうフラフラ。
「睦ー。オイ、着いたぞー」
「…ん、…どこ」
いつもぱっちりなアーモンドアイは
半分しか開いていない。
そんな睦を改めて見下ろすと
服が所々汚れているのが目に入った。
「…睦、着替えるか」
そんな力、残ってるか?
「着替え…?あるの?」
ふと見上げられ、目が合った。
するとお互い、なぜか照れてしまって
ぱっと、明後日の方向に視線をそらす。
「あ…俺の、でよければ…。
つうかシャワーくらい浴びるかよ?」
「う、うん…お借りしたい、です…」
急にかしこまった喋り方をする睦に
なぜか愛しさを感じ、
「一緒、に…?」
そんな事を言ってしまう。
「えっ…い、しょ…?…だっ、だめよ。
それだと天元、また私のこと襲うでしょ…っ」
慌てて一歩下がる。
「…離れてくなよ」
「あ…っ」
離れた分、距離を縮め、
「…もう、しねぇから…」
弱い事がわかった耳元で囁く。
「っ…うそ」
小さな睦を抱き上げた。
「天元!何するの?お、下ろして…」
頬と耳にキスをしながら、
「さっきの答え、聞いてねぇ…」
「…さっきの?」
睦は抵抗の手をゆるめて考える。
「あぁ…俺のモンに、なって」
「…そんなのムリよ」
「何でだよ」
「何でって、私………天元どこ行ってるの?」
睦を抱えたまま歩き出した俺に
進行方向を見据えて不安そうな声を出す。
「バスルーム」
「下ろしてっ!」
「イヤだね」
「一緒はイヤ!」
「一緒だ。俺のモンになるまで」
「何言ってるの、おかしいでしょ」
「おかしいんだよ。
俺はお前でおかしくなってんだよ」
「何、言うの…」
俺の言葉が胸に刺さったのか
睦の怒りの勢いが削がれた。
「お前の身体に俺を刻み込んで
忘れられねぇようにしてやる。
お前が、もう俺しか求めねぇように…」