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【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第11章 愛心




でも、浮かれているのは私も同じ。
さすがに叫び出しはしないけど…。


宇髄さんは結局、完食してくれて、
お皿を下げる私について来ようとするのを
必死で止めて(仕事にならなくなるから)
洗い物を済ませ、部屋に戻った私を
『めいっぱい我慢したから』という理由で
延々と抱きしめ続けた。

何を言っても離してはくれなくて
そのうち私は、
何故だか笑いが止まらなくなってしまって
やっぱり私もおかしいんだなぁ
なんて、考えた。

「なぁ明日」

「明日?」

「あぁ、明日、店閉めたらあいさつ行かね?」

まさか、

「…おじちゃんたち?」

「あぁ」

「…急すぎやしませんか?
私ですら夢見てるみたいなのに」

「思い立ったが吉日なんだよ」

「どうでしょう」

そんな慌てたあいさつがあるだろうか。

「あの2人も俺らが
その心づもりなのを知ってるだろ」

何を言ってもだめなやつだ。
私に相談しているふうで、
もう自分の中で決定している。

「もう…でもさすがに何の連絡もなしに行って
その場で、っていうのは
あまりに急すぎます。
向こうの都合も考えてください」

私に言われて、
ちょっと急いていた事に気づいたのか、
ひとつふたつ頷き

「そうか…。
向こうの都合…」

少し考える。

「じゃ睦に任せる。
段取り、頼んでもいいか?お前の思うように」

優しい声が私の耳に届いた。
新しいおもちゃをもらった少年が、
急にオトナになったみたい。

ちょっと、ときめいてしまう私は
ほんとイカれてる…

「ありがとうございます。
じゃあとりあえず、明日、
いつなら空いてるかだけ確認してくるね」

私だって、嬉しくないわけじゃない。
早く、と思ってしまうのは同じだ。

でも、ちゃんとしたい。
私の大切なこの人を、
おじちゃんたちに良く思われたいんだ。
誤解されたくはないの。
だからちゃんとしなくちゃ。

未来のために。






★ミ

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