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【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第52章 スルタンコラボ更に追加 〜睡蓮の願い〜






俺としては複雑だが
今は丸く収まっているわけだし。
アシルは最近、なんだか楽しそうにしている。

あの一件の後、睦が言ったひと言で
アシルはまた別人のようになった。
数回会いに行った時に見たのは
何年振りかに見るアシルの明るい表情だった。

子どもの時以来ではないだろうか。

何を言ったのかと睦に訊いても
笑ってはぐらかされるばかりで
俺にはさっぱりわからなかった。

「…アシルは最近、何であんなご機嫌なんだ?」

「私に訊くのは間違いじゃないかしら。
多分あんたより会いに行ってる数は少ないのよ」

「だってお前何でも知ってんじゃん」

「いくら私でもねぇ…」

アーディルは石造りの天井を眺めやる。
本当に心当たりがないようだった。

「睦様が噛んでるとしか思えないのよね…
あの人、結構強かだし
敵に回したら怖いタイプよ?」

お前もだけどな。

「……あんた今、なんて思ったか言ってみな」

「えー?なんも思ってねぇけどなぁ」

「帰ったら睦様に
ある事ない事ぶちまけてやるからな」

「なんだよある事ない事って!
お前それ犯罪だぞ!」

俺が本気出して吠えると
アーディルはふと表情を緩め
テーブルに腕を組み寛いだ。

「天元、その方がいいよ」

「はぁ?」

「ずっと
何かを溜め込んでるみたいな顔してたわ。
そうやって感情を出してた方がいいわよ」

にっこりと笑うその顔は
昔よく俺を励ましてくれたそれと
まったく変わらなかった。

まだ経験が足りず
公務をうまくこなせなかった俺に
アーディルは諦めたりせず
こうやってうまくやる気を引き出してくれた。

…懐かしいな。

「溜め込んだり我慢したりするの
あんたの性分に合わないでしょ。
睦様との事だって
中途半端にしたりしないで
その時にちゃんと話をすればよかったのよ」



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