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【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第52章 スルタンコラボ更に追加 〜睡蓮の願い〜
























「天元様」


……あー…いい天気……

青い空に白い雲って…
まるで絵に描いたようだな


「ちょっと!天元様!」


……違う違う
今聞きてぇのはこんな声じゃなくて…



「こら!いつまでそんな
アホ面をしてらっしゃるんです?」

ベシっ
と、いい音がして
同時に頭のてっぺんに
鋭い痛みが走った。
俺はそこに手を充て
無礼な男を睨みつける。

この色男を捕まえて
アホ面とはよく言ったものだ。
いや、だが今はそんな事よりも…


「俺を、殴るな」

どんな執事だ。

「殴られるような事をなさるからです」

「王子である俺が
殴られるような事ってどんな事だよ」

「しつけ役である私の
目に余る行為をされるからですよ」

しつけ役って、
ガキの頃の話だろうが…。

「俺なんもしてねぇじゃん」

「なんもしてないじゃ困ります。
公務に集中して下さいな」

アーディル特製のエスプレッソが香って来た。

これを嗅ぐ度に目が覚める。
俺の調子が悪いと
アーディルは決まってコレを出す。

あーあ…敵わねぇかぁ


「なぁ、俺なんかしたかなぁ…?」


テーブルに片肘を突き
窓の外に目を遣りながらぼんやりと訊いてみた。

この青い空は俺らの住む場所と
何ら変わりはないというのに

ここは何度も公務で訪れた事のある
マッカという国。
豊かさでいうと
我が国に負けずとも劣らない素晴らしい国だ。
気候のせいか温和な国民性と


通されたこの部屋も然り。
調度品から、迎えてくれたフルーツから
俺はもちろんアーディルへの対応から
全てが文句のつけようがないものばかりだ。

最高のもてなし。
居心地はいいし
王室の持つセスナでひとっ飛びとは言え
…何しろ遠い。

昨夜の事が気になって
すぐにでもあいつに問いただしたいというのに
それもままならない

「なんもしてらっしゃらないんでしょ?」

さっき俺が言った事を
揶揄うように繰り返すアーディルが憎い。


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