第51章 .☆.。.:..密室:*・°☆.
身体の熱も冷めやらず
私は宇髄さんにしがみついた格好で
しばらく余韻に浸っていた。
宇髄さんは私の肩に顎を乗せて
ふぅうっと大きく息を吐く。
結局、中途半端に着物を引っ掛けたまま
身体を重ねてしまった…
色々恥ずかしいと泣きながらも
結局は宇髄さんのいいように
事が進むのだ……
色々…恥ずかしい…
………
「睦…、」
乱れた髪を手櫛で直してくれながら
首に抱きついたままの私を
覗き込もうとする。
「……」
プイと逆側に顔を向け
宇髄さんの肩に側頭をくっつけた。
「あれ、…」
顔を見せない私を追って
宇髄さんは身を引かせ
こちらに回り込もうとする。
でも私はそうさせまいと
更に強くしがみついた。
「睦…」
大きな両手が私の肩に掛けられて
引き離そうとしている。
あぁ待って…
お願いだから、
「やだ…このままがいい」
「え…どうした」
戸惑ったような声。
それはそうだろう。
私自身も驚きだ。
そんな事を言うつもりはなかった。
ただ顔を見られたくなかっただけなのだ。
どんな顔をしたらいいのかわからない。
ついさっきまであんな…あんな…!
「どうもしないの。…ぁ、」
でも、顔なんか気にしている場合だろうか。
私たちはまだ、
隠したくなるような場所を剥き出しのまま…
しかも、密着しているというのに。
それに気がついて
私の熱がカーッと上がっていくのがわかった。
「あの、やっぱりいいです…!」
顔を逸らしたまま
宇髄さんの膝から降りようと
彼の肩をグイッと押した。
「こらこら、待てよ。
ちょっとこっち向いてみな」
「いいえ‼︎結構です!」
慌てたあまりに
強い調子でおかしな事を言い出した私を
どうにか引き寄せながら
「何言ってやがる。
俺が結構じゃねぇんだよ」
もっともな反応を示す。
そんな事わかってるけど…!