第49章 .☆.。.:..期待:*・°☆.
「なぁ、優しくするから
好きでいてくれ」
そっと囁く甘い声。
ゾクッと何かが背筋を駆け上がった。
「睦がそんなんじゃつまんねぇよ。
俺、まだ間に合うだろ?」
自己申告した通り、
途方もなく優しい声音で
私の耳元に語りかけてくる。
私は顔をベッドに押し付けて
精一杯逃げた。
真っ赤な顔をしているのが自分でもわかる。
それを、見せるのが悔しかった。
「睦ー。こっ、ち、むけ…」
顎に手をかけ
無理やり上向かされた…
「睦…俺のこと好き?」
蕩けるような微笑みと共に
そんな事を訊かれ
「きらい!」
咄嗟にそう答えてしまう。
…おかしいな。
この人相手だとうまくいかないみたい。
心と逆のことを言ってしまうの。
「そっかそっか。可愛いなぁ照れちゃって」
ひどく嬉しそうにしている音柱様と
こんなはずじゃなかったのにと
首をひねる私との攻防は
もう少しだけ続いて、
結局折れるのは私の方で
それに満足した音柱様に
散々可愛がられた、事は、誰にも内緒。
☆彡