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【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第1章 嚆矢濫觴





私は縁側に座っていた。

一度は布団に入ったが、なかなか寝付けなかった。

あんな話しを、誰かにした事は
今までに一度もなかった。

彼にも、自分の如何にダメな奴かと言う事だけを
伝えるつもりだった。
あんな、同情を誘うような話し方、
するんじゃなかったな。

おじちゃんとおばちゃんに
救い上げてもらってからは、
あんな考え、なくなったと思っていた。
こんな私が楽しんだりしていいのかなって思う程、
おじちゃんたちとの生活は楽しかった。

びくびくしなくてもいい毎日。
ゆっくり眠れる幸せ。
私はあの、6歳の春から、
本当の人生が始まったんだと思う。

でも、だからなんだ。
他人には関係のない事だ。

お涙ちょうだいの話しなんて、
ほんとにつまらないだろうに。
…いや、つまらない事をわからせるために
話したんだけど。

…だって、
あんなふうに、
抱きしめてくれると思わなかったんだ。
私はいらない子だって言ってるのに、
その私の話しを、自分の事のように
あんなにつらそうに聞いてくれるなんて、
思わなかった。

やっぱり私は、甘えたかったんだ。
あんな話しをして、慰めてほしかったのか。
…みっともない。
恥ずかしい。


…これは、いけないんじゃないだろうか。
彼の気持ちに、あぐらをかいている。
身勝手だ。

しっかり、しなくちゃ…


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