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【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第49章 .☆.。.:..期待:*・°☆.

















初任務は、ただただ必死だった。

実戦は積んでいたが
何しろ勝手がわからねぇ。

今までとは全く異なるものなのだから当然だ。

俺が今まで相手してきたのは
辛うじて人間だったが、
これからはまったくの人外なのだ。

動きも性質も、
人間であればある程度の予測もつく。
だがそれらはもう通用しない。


もうひとつ、劇的に変わった事。

間違いなく、世のためになるという事。

闇に紛れて
汚ねぇやり方をするのではなく、
人間様の平和のためになる仕事だ。

誰に話した事もなかったが
俺はそれが、ちょっと嬉しかった。





そして、
初任務だ。

俺とほぼ変わらねぇくらいの身の丈の
カマキリみてぇなその鬼は
思った以上に身軽で俊敏。

ただこの俺様がそんなモンに劣るワケもねぇ。

幾つもの斬撃も見る間に完治。
こりゃもう、
とどめを刺さなけりゃ埒があかねぇと
呼吸を整えたその時だ。

町中へ入るのを避けるため、
ようやく人気のない場所へ
追い詰めたと思ったのに
ぽつんと建っていた豪華な洋館の庭へと
逃げ込まれてしまった。

早く仕留めなければ被害が出る。
しかし庭を捜索するも姿はない。

屋敷の中に入り込みやがったかと
大きな建物に目をやったその時、
喧しい物音と女の悲鳴が響いた。

いよいよ悪い予感に襲われ
俺は一も二もなく屋敷に飛び込む。

音のした方へ向けて廊下を駆けると
あるドアの横で1人の少女が立ち尽くしていた。

見なくてもわかる。
その部屋の中の惨事が。
そしてあの娘の目の前には、
あのカマキリのような鬼がいるのだろう。

俺の位置からは娘の横顔しか見えなかったが
恐怖に慄いているのははっきりと見て取れた。

そしてその娘は
力が抜けたのか突然ガクリと膝をついてしまう。

そのうち大きく震え出し
目が大きく見開かれて行った。


だめだ、俺が動かなければ…!
あの娘まで食われちまう

直感的にそう感じた俺は
何を考えるよりも早く床板を蹴っていた。

俺が娘の元へと辿り着いたのと
鬼の斬撃が娘に向けて振り下ろされていたのは
ほぼ同時の事…


ただ助けたい一心で
加減も出来ずにものすごい力で
突き飛ばしてしまい、
娘は部屋の壁にぶち当たって
そのままのびてしまった。

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