• テキストサイズ

【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第48章 .☆.。.:..卒業*・°☆.





それは、結構すごい事だと思うんだけど。


桜並木を抜けて、校門を通り
校舎の中へ。

ゆっくり歩くつもりが、
先生への気持ちが焦らせたせいか
急いてしまったらしく
予定よりも15分も早くに着いてしまった。

壁の時計は9時30分をさしていた。
…10時前である事に変わりはないし
行ってみてもいいかなぁ?

授業はないって言ってたもんね。
なら準備室にもすんなりと行けるはずだ。

そう思った私は
上靴に履き替えて階段をのぼった。



渡り廊下の先。
美術室のある校舎へと入り廊下を行く。

開け放してある戸。
やっぱり授業はしていないみたいだった。

はやる気持ちを抑えつつ
準備室のドアに手を伸ばした時。


「ねぇ、私にも買って!」

聞き覚えのある女声が
私の耳に届いた。
もちろん、準備室の中からだ。

「寝ぼけたことぬかすなよ」

それと、間違えようもない、
私のだいすきな声だ。

ドアに手を掛けようとした格好のまま
私は固まっていた。

「えー、だってそんなの…私にはー?」

「何を言ってんだよ」

「私にはくれた事ないじゃなーい」

この話し方…
この人は、

「百鬼には必要なかったろ」

そう、ナギリだ。
また先生のところに来てる。
営業、だっけ?

「そうね…だから家に置いてくれたのよね」

何の話をしてるんだろう。

「わかってんじゃねぇか」

笑いを含んだような声。
見なくたって、
先生が今どんな顔してるかがわかる…。

上向きだった私の気持ちが
いっきに萎んでいった。

「あ、もうこんな時間じゃねぇか。
百鬼もう行けよ」

「ひどい言い方!
私、感謝されるべきじゃないの?」

「あーわかったから。早よ行け。
睦が来ちまうだろ」

急に自分の名前が出て動揺した私は、
手に持っていたお弁当の袋を
落としてしまった。

ガシャン…!

と、大きな音がして、
準備室の中の2人が
ハッと息を呑んだのがわかる。

こちらの様子を窺っているのだろう。
物音ひとつしなくなった。


/ 2219ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp