第48章 .☆.｡.:..卒業*・°☆.

一緒に行ってくれるかって…？

そんなの願ってもないことだ。
俺の方こそ、
まだ一緒に行ってもらえるのかって
安心してるとこだけど。


やっぱり俺、何かしちまったのかな。
だとしたら何をやらかしたんだろう。
でも、単なる勘違いって事もあるし、

…余計な事を訊く前に、少し落ち着こう。
それからでもきっと、遅くはないはずだ。


「あぁ、また行こうな」

そう返事をすると、
睦は大きなため息をついてから
思い切り抱きついて来た。

…お前はお前で
何を拗らせてんだろうな。

俺には話せねぇ事か？
また1人で抱え込んでるのか…？

だとしても、俺から訊かねぇ方がいいんだろ？

俺と同じだよな。
少し落ち着こうって、多分そう思ってる。

なら俺は
お前が話せるようになるまで
待っていようと思うんだ。
ここまで、割と強引にやってきたからさ、
たまにはお前に合わせてやらなきゃって
そう思うんだよ。

俺、また間違ってるか？


抱きしめるだけで、
この距離が埋まるとは思っていない。
でも、こうせずにはいられなかった。
身体だけでも、近くにいたかった。


焦っても仕方ない。
だけど…
いつからこんな距離が出来た？

「睦、俺の…」

…俺の事まだ好きか…？なんて訊くつもり⁉︎
どんだけだよ。

「…なに？」

「悪ィ、なんでもね」

俺が弱気になってる場合か。

「先生…そろそろ、いい…？」

遠慮がちな問いに、
知らず、腕へと力が入ってしまう。

「なんで？」

「ん…なんか…クラスでね、
メッセージを書き合って
それを本みたいにするんだって」

「…そんな事すんの？」

「うん…だからそれ書かなきゃいけないの。
月曜日に欲しいって言われたから」

「今から書くのか」

「うん…明日は、面接あるし…」

「あぁ、そうだったな…何時？」

「…2時」

俺の腕の中で終始俯いている睦。