第46章  .☆.｡.:.贖罪。.:*・°☆.

「いやだ…！行かないで独りにしないで！
せっかく会えたのに…！
生きてたのに！」

「睦…」

負い目があるせいか
強くは言い出せないお父さん。

「置いてかないで！もう……
もう離れたくないよお願い…！」

このままうまくすれば残ってくれるんじゃないか
バレないように隠れて暮らせば
ずっと一緒にいられるんじゃないか

そんなバカな考えが頭をよぎったその時…

「睦…‼︎」

お父さんじゃない人に、…強く呼ばれて
腕を掴まれ揺さぶられた。
見上げると強い瞳が私を見下ろしていた。

「…宇髄、さ……」

まるで、
目を覚ませと言われている気になった……
背中をドンと押されて
崖の底に突き落とされたみたいだ

少し切なげな、
どこか諦めたような表情に
また涙が込み上げてくる。


俺がいるから
って
言ってるの


わかってるよそんなの
だけどどうしたらいいの
私のきもちはどこにいくの

お父さんが行っちゃうよ。
もういないって思ってたんだよ？なのに、

こうして私に会いに来てくれたのに。


そう言いたいけど、…
答えだって、ちゃんとわかってるんだ。

もう一緒には、いられないって。

大好きなお父さん…
お父さんのために、…

私のする事はひとつだ。


「…お父さん…会いに、来てくれてありがと。
私のこと忘れずにいてくれて嬉しかった」

急に、そんな事を言い出した私に
お父さんも宇髄さんも息を呑んだ。

「…睦…、」

何か言いたげに目を細め、
私の涙を拭ってくれる。
その手が、大好き。

「お父さん、大好きだよ」

大好きだ。
私を可愛がってくれた。
私を、抱きとめてくれた。

大好きだから、…。


——自業自得だけどよォ…
やっぱり俺は…そばにいてやりたかった…

それは、これまでの事だけじゃなくて、
これからの事も含まれていたんだ。