• テキストサイズ

【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第46章  .☆.。.:.贖罪。.:*・°☆.





「なんで俺のことを知ってたのかわからねえが
そんな手紙が届いたんだよ。
睦は必ず、立派に育てますって
綺麗な字で書いてあったんだ」

書いたのはおばちゃん、かな…
きっとお父さんを
安心させようとしてくれたんだ。
私を1人きりで置いていって
気にしているんじゃないかって
そう思ったに違いない。

おじちゃんたち、知ってたんだ…
知ってて、私を引き取ってくれたの。

私なんか、
疎まれたっておかしくない境遇だったのに。
こんなにまともに育ててくれた……

あの2人は、何を思って私を
引き取って育ててくれたんだろ。


「このまま死んでくのがいいって思ってたのに
それを読んだ時…
どうしても睦に会いたくなった。
お前は俺のだって、馬鹿な事を考えて」

お父さんの想いが
腕から、胸から…声から伝わってくるよう。

「私はお父さんの…っ」

お父さんの娘だよって、
言ってもいい?
私に、そんなこと言われて
喜んでくれるかなぁ?
こんな私のお父さんだよ、なんて。

「俺の…?俺の娘だって言ってくれるのか。
こんな俺の娘だって…」

「え…、ふふ、っ」

私まで、泣き笑いみたいになった。

「…なん、だ?」

「親子で、おんなじような事を…っ
…ふふふ、」

へんなの。

私が笑った事で気が抜けたのか
お父さんの肩から力が抜けたような気がした。

何を思っているのかまではわからなかったけれど
どことなく、
諦めがついたというか割り切ったというか…
そんな雰囲気を感じたんだ。

不安になって見上げると
優しく微笑んだお父さんは
私の身体をゆっくりと離す。

「睦…でっかくなったなァ。
俺なんかがいなくたって、
お前は立派に育った。育てて、もらったんだ」

「違う…お父さんがいたから、…
私はここにいるんだよ」

「…そうか、ありがとなァ。でも…
俺の手で、育ててやりたかったなァ…
こんなに綺麗な娘になってくとこを
見守っていたかった…ほんとに、ごめんな、」

せっかく止まった涙がまた流れ出す。




/ 2219ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp