第46章 .☆.。.:.贖罪。.:*・°☆.
「いや、それはねぇだろ。
1度や2度ならまだしも、
もう何日も続いてるってんなら…
それはもう、誰かがお前を窺ってんだよ」
「…そ、ですよね…」
「睦」
「はい」
俯かせていた顔を上げると、
片腕を枕に
私を見下ろしている宇髄さんの
心配そうな目とぶつかった。
「お前もう家には戻るな」
「えぇ…?」
空いたもう一方の手が
私の背に充てられて、優しくさすってくれる。
「しばらく…。
この問題が解決するまででいい。
ここにいろ。…それから、」
宇髄さんは言いにくそうにしていたが、
意を決したように口を開いた。
「店も、休まねぇか」
「お店も…?」
「あぁ。悪ィ…全部俺の我が儘だ。
お前に何か…
良くねぇことが起こる前に回避したい。
常についててやれりゃ言う事ナシだが
そういうワケにもいかねぇ。
だがここにいてくれりゃ、
誰かしらがお前を守ってやれるだろ?」
「だけどそこまで…」
「1人で家まで帰るの、不安じゃねぇか?
店の場所まで知られてるんじゃ、
帰りにつけられたって不思議はねぇ。
あの暗い夜道を、びくびくしながら歩くんだぞ」
確かに、川に差し掛かったくらいから、
町からは外れるし、
街頭もなければ人もいなくなる。
「そ、んな…脅かさないで下さいよ」
「現実的な話をしてんだよ。
なんかあってからじゃ遅い。
無理にでもそうさせときゃ良かったって、
俺に後悔させる気かよ」
「ずるい…そんな言い方されたら…」
「客離れが気掛かりなら
再開した時に売り子として手伝ってやるから、
…だから今回は、俺の頼み聞いてくれねぇか」
後頭部に充てられた手が
クッと私を俯かせ
あったかい唇が額に触れた。
「頼む…」
祈るような囁きが
私の額に吹きかけられる。
まさか、こんな事になるなんて
誰が予想しただろう…
宇髄さんが私を甘えさせてくれる事は
わかっていたつもりだ。
だけどこれは甘いどころか…
過保護、というか…