第45章 .☆.。.:.笑って。.:*・°☆.
違う…?
違うだろうか。
「今、俺と話せる状態じゃねぇだろう。
いきなり迎えに来た俺も悪い。
申し訳ねぇが出直して来る」
「待て。それなら隣で待っていてはくれないか」
「……」
「そうしろォ。すぐに行かせるから」
すぐに、
行かせる、かよ。
俺にならそれが出来ますってか。
「いや。無理させる事ねぇし…
今の俺じゃ
睦を納得させてやれねぇしな」
睦を連れていかなかった理由。
何故その話もしなかったのか。
それらをちゃんと述べられるワケじゃねぇ。
元より話して聞かせる気なんかねぇんだ。
それなのに納得してもらおうなんて
そんな都合のいいこと思わねぇけど…。
「…君は何か勘違いをしているのではないか」
勘違い…?
勘違いだろうが何だろうが
状況は変わらねぇ。
目の前の現実がすべてだ。
「まぁ何にせよ、俺は一旦帰る。
俺も頭冷やしてから…」
「私も帰ります…」
俺の話しに
睦が言葉を被せて来る。
……なんだと?
「はァ?」
「何と!」
2人はそれぞれに驚嘆の声を上げ
睦を振り返った。
「帰るって…どこにだァ」
確かに…
でも『帰る』場所なんてひとつだろ。
「……宇髄さんと行きます、」
「なんでだよ」
つい余計なひと言が口をついて出た。
そんな言い方したら
来るなって言ってるみてぇじゃねぇか。
だけど、こいつが『帰る』と言ったら
自分の家に決まってる。
まだ俺の所ではないはずだ。
「帰るなら自分とこだろ」
「一緒に行ったらだめって事ですか?」
「ンなこと言ってねぇけど、…
睦がムリしてるんじゃねぇの?」
さっきまで泣いていたはずの睦が
急に違う音を発しながら
「してない」
俺に逆らう。
なんなんだ。
「さっきはあんなふうに俺を避けておきながら
今更そんなこと言うのかよ。
ここでぬくぬくしてりゃいいだろうが」
あーあ……