第45章  .☆.｡.:.笑って。.:*・°☆.

和む？
和むの？

そうかなー…
その言葉と、1番縁遠い男だと思うんだけど。

頼もしいならわかるけどな。
和みはしねぇだろ。

…いやでも、
アイツがいれば睦は和むんだろうな…
不死川といる睦は
すごくいい顔をする。

それはよくわかる。
不死川も、睦な事を
本当の妹みたいな扱いをする。
それはそれは、優しくするから
睦も居心地がよくなって当然だ。



先に立って入室した煉獄の後に続くと
1番最初に出会したのは
睦の泣き腫らした目だった。

見ていられなくて一瞬目を閉じるが
それじゃダメだと思い直し
小さく微笑んでみる。

すると眉を寄せて不機嫌そうになり、
目を伏せてしまった。

自業自得かな…

「睦の泣き声がよぉ、
俺んちまで聴こえてくるから
ここまで迎えに来ちまったよ…」

悲しげに首を落とす睦は

睦の前にしゃがみこみ、

「…ごめんな」

抱きしめようとして、
睦に向けて腕を伸ばす。

睦はそれを拒むように身体を逸らし
膝を抱えてそこに顔をうずめた。

…そうだよな。
今、こんな事されてぇワケがねぇよな。

お前に黙ったまま、だもんな。
抱きしめた所で、
誤魔化されたと思うだろう。


…つぅか、

さっきから顔を膝に伏せているが…
泣いてんじゃねぇの…？

必死に隠そうとしてるけど。

努力も虚しく、
この場にいる全員がわかってると思う。

「睦、宇髄に謝んじゃねえのかァ」

不死川の声掛けに
睦はビクリと反応した。

…謝る？

「…何をだ？」

こっちが謝りこそすれ
睦が謝らなきゃならねぇ事なんて…
いっこも思い浮かばねぇなぁ。

「それは、俺の口からは言わねえけどよォ」

まぁそうだろうなぁ。
本人目の前にしてそんな事
出来るはずもねぇ。