第45章 .☆.。.:.笑って。.:*・°☆.
なァ?と、
煉獄さんに同意を求めると、
「ああ!きっとそうだろうな」
にっこりと笑って
煉獄さんは大きく頷いた。
「睦の事を思えばこそだろう。
大切な女の負担になりたい男など
いるわけがない。
睦には余計な心配は
させたくはないのだろうな」
「そんなの…男性も女性も関係ありません…
それなら…私だって、負担になんか
なりたくありませんよ…」
「宇髄はそれを負担とは思わないだろう」
「私だって思いません!」
宇髄さんが私を頼ってくれるなんて…
嬉しいと思いこそすれ、
負担だなんて思うはずもない。
「でも…お前は泣くよなァ?」
「……泣き、ません、」
多分……
「ほー…」
疑わしげな目……
不死川さんは目を細めたまま、
「まァ…万が一、泣かなかったとしてだ」
万が一ってなんですか。
泣かないって言ってるのに。
「それでもお前は胸を痛めるだろ。
そんなん俺でも予想が出来る。
それをわかってて話すんだとしたら
あいつはホントの馬鹿野郎だァ」
「…それでも、…
共有してもらえないのは…淋し…」
「泣くなってェ…!お前はよォ…」
小さな子をあやすように
背中をぽんぽんと叩き
「そんな事してたってしょうがねえだろうが」
泣き止ませようとしてくれる。
「そん、なの…わかって、ますけど」
私は、さっきからの
いろんな感情に絡め取られ
もうわけがわからなくなっていた。
私は頼りなくて、
人に頼るしかない
どうしようもないお荷物だって。
そんな考えが頭をもたげて
逃れられない。
「そのままの睦がいいと
言ってくれたのではないのか?
他でもない宇髄がそう言うのだから
信じてみてはどうだ?」
私の前にいる煉獄さんは
にこにこしながら
私の頭にぽんと手を置いた。
「それにしても…」
笑顔を崩さない煉獄さんが
「君はよく泣くな」
呆れたような、感心したような声を上げる。