第44章 .☆.｡.:.夏色.。.:*・°☆.

「あんなふうにヘタに告白なんかしなきゃ
俺の計画はうまくいったはずなんだ。
ゆっくりお前の心を侵食して
ちゃんと俺の方を向かせてから
確実に俺のモノにするつもりだったのに」

………まさかの大告白だ。
この人が私を想っている事を聞いた時より
衝撃的な事実だ。

そんな計画があったとは…。

「そんな話する必要ある⁉︎」

「ある。なんで俺が
照れたりとかしなきゃなんねぇんだ。
そんなガラじゃねぇっての。
こんな中途半端になるくらいなら
全部はっきりさせてやる」

「私は追いついてないの！」

「追いつかせねぇよ」

「ムリ！聞いてらんないから！」

「聞くんだよ！俺を意識しろ」

「忘れろって言わなかった⁉︎」

告ったこと忘れろって。

「知らねぇなぁ」

「うそつき‼︎」

よくもまぁそんな事が言えたもんだ。

だけど久々に、
彼の本来あるべき姿を見たような気がする。
最近の彼は、違っていた。

「そもそも俺が遠慮する必要なんかねぇわ」

「どこが遠慮してたの」

「めちゃくちゃ遠慮してたじゃねぇか」

「遠慮じゃないじゃん。
照れて身動き取れなかっただけでしょ」

「なっ…んだとー、
そりゃお前のせいだろ」

「何で私なのよ」

「小さくて可愛いくせに
余計な事ばっか考えやがって」

「くっ…くせにってなに⁉︎」

「勝手に殻に閉じこもるんじゃねぇよ」

「ほっといてよ」

「お前俺のこと好きだろ」

「嫌いだ！」

「そっかそっか。好きなのね」

「嫌いって言った！」

「天邪鬼。知ってんだよ、
逆のこと言っちまうんだよなー？」

「っばーか‼︎」

「小学生か」

確かに。

でも突然、
いつもの調子を取り戻した彼が
羨ましくて…
私にはそんな事できないから。

少し前から彼への想いを気づかされて
それだけでどうしていいかわからないのに。

「どうせ、すぐに乗り換えるなんて…
とか思ってんだろ？」

ムカつくなぁ…

じろっと睨むと嬉しそうに笑う。
全部見透かされてる。
おかしいと思わないか。
そこまで顔に出てるのか？