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【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第43章 無償の愛





「どーしよっかなー」

俺が腕の中を凝視めると
ジッとこちらを見上げ返す…

「あー…可愛いからずっとこうしてよ」

「…それもいつも通りです」

あらら。

「いいじゃねーのー、
したい事する日なんだよ」

「じゃあごはん…」

そんなにメシ作りてぇか。

「腹減ってねぇんじゃなかった?」

「宇髄さんが」

「俺?俺は数日抜いても平気なの。
そんなふうに育ってんの」

「そんなに長いこと⁉︎………」

驚いてから真顔に戻り
黙り込む睦を見て、
ある事に行き着いた。

「…お前も平気なんだろ」

「……私はがんばって食べてます!」

「がんばって、ねぇ…」

食に興味がない睦。
甘味は言わなくても食ってるのに。

…それにしたってだ。

「お前、昔は俺に食えって言ったのにな」

そうだよ、初めて会ったガキの頃に
メシは大事だと説いたのは睦だった。

メシを蔑ろにしていたのは
もともと俺の方だったのに。

「ごはんは大切ですよ!
さんざんおじちゃんに言われましたから
わかってるつもりなんですけど」

「けど」

けど、なんて言うヤツは
結局わかっちゃいねぇんだよな…

「…そんな目で見ないで下さいよ。
だってお腹が空いてなければいいかなって…
小物を作ってたり、何か他のことをしてると
どうしても食べるのを忘れちゃうんです」

ジトっとした俺の目を避けるように俯き、
睦はツラツラと言い訳を始める。

「一緒に住んでた時は、
おじちゃんが作って出してくれるし
叱られるから食べてましたけど…。
でも今でも私が食べたかどうかを
あの2人はすぐに言い当てるから
これでもちゃんと食べてるつもりなんです…」

ボソボソと話す睦。

「なーげぇ言い訳だなぁ…」

「えぇッ!言い訳?」

そんなつもりはなかったらしい…

「別に責めてるワケじゃねぇよ。
まぁ、ちゃんと食った方がいいとは思うが。
でも俺と居る時は一緒に食うもんな?」

「うん…。誰かが居てくれると
作る気になりますもん。
自分ひとりだとどうしても億劫です」


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