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【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第8章 続




深い青色をした蜻蛉玉の髪留め。
あの町で、お前が見ていた。
欲しかったのか、ただ見ていただけだったのか
わからなかったが、これを見ていた
睦の目がとても美しかった。
気がつけば、購入していた。
…そのせいでこいつを見失った、
という事はとてもじゃないが言えない…

光にかざし、透かしてみてから
睦の髪につけてやる。

「よく似合う」

髪に口づける。
自分が買ってやったものを、
睦が身につけるってのは、
何だかすごくいい気持ちだ。
睦はそれに手を当てた。

「…何で、コレ…」

「ん?好きそうだったからな。
それに、きっと似合うと思って。
気に入ったか?」

「はい!ありがとうございます!
嬉しい…」

打って変わってキラキラの笑顔になる。
相変わらず忙しい女。
そんなお前が可愛いんだけどな。

「ちょっと早ぇがもう休め。
色々あって疲れてるだろうし、
明日の朝メシ、作ってくれんだろ?
早く寝ないと起きられねぇぞ?
俺もコレ下げたらもう休むから」

背中を支え横たえてやる。

「…はい…ありがとございます…」

すでに眠たそうな睦は
素直に返事をした。


膳を台所まで運び、食器を洗ってから戻ると
睦はすっかり寝入っていた。
灯りを落とし、
睦の隣に潜り込む。
俺がやった髪留めを
両手で大事そうに握りしめ眠る睦は
微笑んでいるようにも見えた。

おやすみ睦。
そっと寄り添い、目を閉じた。







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