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【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第41章 輪廻 〜if〜 後





「でもそれじゃあ、
ホントに節操なしの馬鹿野郎じゃねぇか。
睦にだけは
そんなふうに思われたくねぇんだよ…」

そろりと顔を上げると
両手で頭を抱えている先生が見えた。


節操なしの女ったらし…

睦にだけはそう思われたくない…


半分我を失っていたとは言え、
…なんて事を、言ってしまったんだろう。

ほら、1度口から出た言葉は取り戻せないって
わかっていたはずなのに…

「俺は睦が好きだ。
好きなんだよ、
こんな俺がなぁ
本気出して守ってやりたいって思うんだ。
それこそ、おかしな話だよな…」

あぁ、この人を傷つけた…
私が傷つけた。

だいすきなのに…

ばかな私。

「…先生ごめんなさい、」

「俺がして来た事が睦を混乱させた。
それだけの事だよ、お前は悪くねぇ」

「ごめんなさい…ごめんなさい、」

「何だよ、だからお前は悪くねぇって」

「ごめんなさい」

「………」

しつこく謝り続ける私を変に思った先生が、
両手を離してパッとこちらを向いた。

「…聞いてんのか?」

「ごめんなさい…」

だってそれしか言えないでしょ?

「ひどいこと言ってごめんなさい…
傷つけたかったんじゃなくて、…
でもごめんなさい、」

どんな言い訳だって通用しない…

でも、謝りたい。
償いたい…

「…先生、許してね…ごめんね…」

「…わかってるよ」

先生は私の頭に手を伸ばしかけて
止めた。

私がまだ震えていたから。

きゅっと握ったその手を戻し、

「…俺に、許して欲しい?」

淋しげに笑った。

「うん…許してくれるの?」

「許すから、抱きしめさせてくれね?」

「え…」

私は全身が緊張したのがわかった。

さっき感じた嫌悪感を思い出して
拒否したくなる。
だって、ぞわぞわって…
本当に気持ち悪かったから。

「身体が、拒否してるんだろ?」

「……わかるの、そんな事…」

「わかる。睦の事なら
なんでもわかる」

そんなに胸張って言われると困ってしまう。

私があんなに悩んだのは、…
叫んだのは一体何だったのかな。


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