第41章 輪廻 〜if〜 後
「ごめんん…!でも近すぎなんだよ!」
「嫌なのかよ」
先生の手を逃れ
あっちやこっちを向こうと
試行錯誤を繰り返す私を、
それは見事に追いかけては
顔を合わせてくる先生が
ひどく不満げに声を落とした。
嫌なわけない…!
でもそんな事を言ったらどうなるか…
だからってここで嫌だなんて言ったら
絶対に誤解される!
「ちょっと離れてって言ってるだけ!」
ちょっとでいいから!
「可愛いから離れてやんねぇ」
「はな…、かわい…い…?何…言ってんの」
意味わかんない…。
そう思ってつい顔を上げてしまった私の唇には
当然のようにキス…
「‼︎」
つい拳で先生の肩を叩いてしまったけれど
そんなもの何の効果もない。
だけどそっと離れて行った先生にホッとした…
のも束の間。
やめる気なんか全然なくて
何度も何度も、
角度を変えては触れるだけのキスを繰り返す。
息継ぎする間もないくらい
続け様に唇を押し付けられて
私はもうくらくらして来たよ…
「や、め…、っ」
声を上げようにも
すぐに塞がれるからそれもままならないし…
離れた瞬間に、もうキスされまいと
両手で先生の肩を押しやるのに
その腕ごと私の背中を抱きこんで
絶対に離さない姿勢を剥き出しにする先生。
イヤなんじゃないよ?
ただ苦しいんだ。
息も。胸も。
先生の肩を握り締めながら、
私を独り占めする先生が
どんどん愛しくなっていく。
「…ん…」
どっちのものともつかない喘ぎ。
混じり合った呼吸が熱い。
先生…、
私こんなこと許したの、先生だけだ。
私とキスしたがった男の人はいっぱいいたけど
どうしても嫌だった。
気持ち悪かったんだ。
だから先生ともしたくなかった。
なのに。
今はどうだろう。
全然、気持ち悪くなんかないの。
緊張はするし、まだちょっと怖いけど…。
「………」
口づけがやっと途切れて、
知らない間に閉じていた目をゆっくり開くと
吐息よりもまだ熱い視線に絡め取られた。
「…終われねぇ。どうしてくれる」
まるで私のせいみたいな言い方をすると、
先生は私の手の中にしっかり握られている
小箱をチラリと見遣った。