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【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第8章 続




この場で何とか治めてやろうと思っていた俺は
睦を何とか納得させようと
着物の中に手を入れて背中を撫で上げた。

「は、あん…っあぁ…」

直接肌に触れると
力の抜け切った声を出した。
そのまま続けようとした時、睦は
やけにしっかりとした口調で話し出した。

「早く、抱いてほしい。だから…お願い…
早く…連れ出して…」

…俺に、抱いてほしい、って…?
睦が…?

「ここ…怖いの…」

怖、い…?

「…私の声…他の人に…聞かせないで…?」

「睦…」

そうか、そういう事か。
こんな、そこかしこで
男女がまぐわってる場所なんかじゃなくて、
俺と2人きりの秘め事を、って事か?
それでなくとも、ここはお前が
恐怖を感じた場所だな、しかもたった今。
それは、俺の気遣いが足りなかったよな。

「そこまで言われちゃ仕方ねぇな」

俺は睦を抱え上げ、
入ってきた窓から外へ出た。
睦はきつく俺にしがみつき、
溢れる欲に耐えていた。
向かうは俺の屋敷。
ここから1番近いのがそこだ。
今日は誰もいねぇ。
おあつらえ向きだ。













そうして自室で2人、乱れに乱れた。
意識を飛ばした睦の
薬の効果は切れたのか。
あんな店で使うような薬だ。
強いだけで、持続性はねぇと思うが…。

俺の腕にくるまって眠る睦からは
あんな乱れた姿、想像も出来ねぇ。
この差を見られるのは俺だけだと思うと
何とも幸せだ。
安心しきっている睦の頬に
口づけを落とし自分も目を閉じる。
このまま俺も眠って…。
…。
……。

いや!ダメだ!
今何時だ。もう薄暗い。
俺は睦を起こさないよう腕を抜き、
そうっと起き上がると着物を緩く身につけた。
睦を窺いながら、そのまま部屋を出る。

危ねぇ危ねぇ。
眠っちまう所だった。
さて、どうしたもんかね。
眠っている睦を1人残して出掛けるには
不用心というか、不安というか…

「天元様」

庭先に、見慣れた3人。

「お?どした」

俺は悩みながら3人を見据えた。
…そうだ。

「お前ら…ちっと、ここ残っててくんねぇ?」

「…はい?」

「睦が眠っててよ、
でも俺、町まで用事あんのよ」



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