第38章 金魚の昼寝
負けじとこちらは耳へと舌を這わせ
「ひ、ぁあ…っ」
睦の快感を引き出してやった。
ついでに片手を腰あたりに充てて撫で下ろす。
それが何を示すのか
もうわかっている睦は
自らを差し出すかのように
硬く閉じていた脚を割り、膝を立てた。
邪魔な裾を払ってやると
その膝で俺の腰を強く挟み込み
あまつさえ擦り付けるような動作をする…
……どうしたと言うのか。
ここまであからさまに求められる事なんて
今までにあっただろうかと
記憶を辿らなければならないほど
それは珍しい事で…
「…っ天元…ど、しよ…」
困惑、戸惑い、焦燥…、
すべての入り混じったような声で
「止まらないの…はずかし、のに…天元…っ」
俺に助けを求める。
泣きながらそんなこと言われるのは初めてだ。
今までに感じた事のない強い気持ちに
この身が震えた。
「…どうにか、してほしいか?」
「…ん、して…ほしい…っ」
何度も腰を擦り付けて
そうやって俺を強請る姿を、何度夢見たことか。
「俺にしか…」
「や…ぁん…っ…
天元にしか、できない…!お願い、だから…っ」
普段なら耳にできない睦からのお誘い。
あまりにも甘美で、容易に俺を蕩けさせる。
あぁ愛しい…
俺は膨れ上がる欲を抑えきれず
淫らに揺れるその腰を掬い上げるように
強く擦り付けてやった。
「んっぁあ…ん、」
ビリビリと痺れているように
細かく痙攣する睦。
もっとどうにかしてやりたくて
俺の腰を挟み込んでいた脚を
膝裏から抱え上げ、更に大きく開かせる。
「ひ、ぁ…っ!」
畳から腰が浮き上がるほど高く両脚を抱えられ
一瞬戸惑ったようだったが、
そこに腰を落としてやると
ぴったりと合わさる互いの熱に
「んっ…は、ぁ」
悩ましげに吐息を漏らした。
そのまま何度か腰を揺すってやるものの、
「あ、…いや、っじゃま、なの…
天元が、いい…っ」
布越しに擦られるのが不満だったようで
泣きながら大きく首を横に振る。
可愛いお願いをすぐにでも叶えてやりたいが、
「まだ、早ぇだろ…」
慣らしもせずに挿れれば
睦が苦しむのは目に見えていた。