• テキストサイズ

【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第34章 反抗期





「お前が優しいから、
あいつ調子乗ってんじゃねぇの?」

「違うよ。私が順番間違えちゃったの」

「順番、ねぇ…。まぁいいけど。
なにかん時はちゃんと叱れよ?」

「うん、わかってる」

でも、叱る事なんかない。
弥生は悪くないんだもん。

「ありがとう天元。元気出た」

「それは何よりだ。
そうやって俺をうまく使え」

冗談めかしてニカっと笑う天元…

「いやだ、」

「いや?」

「使う、なんて言わないで…」

「…言葉のアヤ」

くすっと笑うけど
私は笑えないよ…

「言葉のアヤだとしても」

「わかったよ、…そんな事で泣くな」

「だって天元はものじゃないのに…」

「わかってるって」

一瞬動きを止めた天元が
抱きしめていた私を少し抱えなおした。

「お前ちょっとこっち、向け」

私のおかしい事に
危機感でも感じたのだろうか。

「ありがと…大丈夫だから…」

「大丈夫ならこっち向いてみな」

俯いていた私の顔を覗き込むのではなくて…

「う、わ…っ」

小さな子のように抱き上げられてしまった。
別に顔を隠すために俯いたわけじゃないのに。

咄嗟に彼の肩に両手を突いて

「高い…っ」

多少の恐怖を伝えた。
ぷらーんとぶら下がった体制が心許なくて
ぎゅっと膝を縮める。

「下ろして、何ともないから…」

「俺の事で泣いたワケじゃねぇんだろ?」

「んー…わかんないけど、
いろいろあって…天元とお話ししたら
ホッとしただけだから」

「そうなのか?」

「うん…だから
がんばれるように、ぎゅってして」

肩に置いた手をぐるっと絡めて
自分から抱きついた。

さっき勘違いしてしまった分、
私は自分が必要とされている事を
確かめたかったのかもしれない。

「んー…っ」

彼は私の願い通り、
ぎゅっと強く抱きしめてくれた。

「こんな甘え方してくれんなら
もっと長いこと落ち込んでてもいいぞ?」

肩に顎を乗せた天元が
ちょっと嬉しそうに言う。

「ひどい…」

首を絞める勢いで抱きついたと言うのに
天元はそんなのどこ吹く風で

「悪ィ悪ィ、そうじゃなくて」

はははと涼しく笑った。


/ 2219ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp