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【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第28章 恋模様





「睦、キスしてい…?」

「え…っ?キス、するの…?」

私は、宇髄さんの背中を握り込んだ。

どうしよう…
まさかそんな事になるとは…

「ん…したい」

「そんな…急に、言われても…」

心臓が壊れそう…
目なんか開けてられないし、…
でもくっつけられたらどうしよう…!

「急じゃねぇよ。ずっと、思ってた」

「えッ…」

そんなこと思ってたの?
いつから?

「いいって言え…」

ここまで来たら、
強引に奪ってくれても別に構わない。
それなのに、意地の悪い事にこの人は
わざわざ私に決めさせようというのか。

「俺が、嫌いか?」

「っす、き…ぁ」

問われた事に咄嗟に…しかも素直に答えてしまい、
あ、と思った時にはもう遅かった。

「ん…」

確かめるような優しい口づけ。
何が起きているのかわからなくて
息を詰めて、ただ時が過ぎるのを待った。

ゆっくり離れて行く予感に
どこかホッとしながら瞼を開こうとすると
もう1度、
今度は少しだけ強めに唇を合わせられ

「ふっ…⁉︎」

予想外のことに一気に呼吸が乱れた。

「…っま、」

離れては押し付けてを
何度も何度も繰り返されて
私はたまらず、合間に声を上げるも
全然やめてくれる気配はなく、

「…っ…や、」

甘くて優しいキスがただ果てしなく降ってくる。

心臓も頭もパンクしそうなのに
気持ちだけが満たされていく、アンバランスな私。

「睦…」

小さく呼ばれ、
ようやくキスの終わりが訪れた気がして
瞼をゆっくり開いた。

「…好きだ、お前はもう俺の、って
思っててもいいか?」

いつもと違う、甘い声がひどく耳について
私は両手で顔を覆い俯いた。

「…いい、です」

「いいの?やべぇ…あんま可愛いと
我慢できねぇけど」

「やだよ!」

咄嗟に離れようとする私を
ぎゅっとつかまえて

「なんもしねぇよ!キスだけ、許せ」

さっきよりも少しだけオトナなキスをした。



彼のスケッチブックに
最近描いただろう新しい絵が追加されていて

それがあの日の
私の寝顔だったことを知るのは
もう少しだけ後のこと…




☆彡

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