第74章 72.
手元に残った忌々しいクソピエロを睨み付ける。
そんな私をニヤニヤと笑う2人。途中までいい感じだったハズなのにどうしてこうなった。
「さてと、じゃあ何から聞こうかな」
『血液型とか好きな食べ物とか、そんなんで頼むよ、ほんと!』
2人揃って私を一度見て、それについては触れずにジェノスと話し合うサイタマ。
声を潜めてはいるけれども、同じテーブルを囲んでいるもんだから私にだって聞こえる。好きな体位ってなんだよ、体位って。
こうしている間にさっさと部屋に帰って寝てしまうのもありかも知れないなぁ。でも、サイタマやジェノスってどちらかというと、トイレに隠れようが突き止めてドアを破壊してきそうなんだよね。
あまり下手な事をしたら我が身に返ってくる。ここは大人しく待っておこう……。
ひそひそ話が終わる。
罰ゲームの1人1つ質問する内容が決まったようだ。
『……で?何?好きな食べ物?好きな動物?犬派か猫派?きのこたけのこ?』
「いや、違ぇよ。まずは俺からだな」
蛍光灯の明かりを受けて反射する頭のように光りそうな歯を見せ、サイタマは不敵に笑う。
好きな花?飲み物?簡単な質問よ、来い!
「正直に答えろよ。ぶっちゃけお前とゾンビマンってどこまでいってんの?」
『え?……犬か猫なら猫派かなぁ、私』
「いやいやいや、ゾンビマンとお前って、ど・こ・ま・で・いってんの?」
……。
マレットでポコポコとサイタマの頭を叩いてやりたい。どうしてこんなに空気が読めないんだろ?
もしかしたら裏があるのかも?どこまでいってるの、とは恋愛関係での発展具合ではなく、デートでどの辺りまで行った事があるか、とか…!