第8章 ストームとブリーズ
「無い!!」
起きてすぐに大声をあげてしまった…
それもそのはず…アリスから貰った時計が…ない…
ナイトメア…戦利品にあれを持って行ったわね…
絶対に取り返さないと…
ついでにナイトメアをぎったんぎったんに…
ぴぴぴぴ…
あっ目覚まし…
って!!学校遅刻しちゃう!!
私はすぐに制服に着替えると…鞄とパンを持って校舎に向かった…
…
…
…
クラスは昨日のストームの話題で持ちきりだった…
自席に座って溜息をつくとアリスが話しかけてくる…
「どうしたの?スノウ…元気がないけど…」
「ちょっと最近疲れちゃって…あはは…」
どうしよう…アリスから貰った時計をナイトメアに奪われたなんて言えないよ…
「アリスは昨日はどうしてたの?ストーム…楽しめた?」
「それが…」
アリス曰く…ブラッドがストームに参加していて…アリスの部屋に入ったらしい…
ブリーズ面倒そうだな…
「ブリーズ…大変そうね…」
私はアリスにブラッドの部屋の位置などを教えていると…HRが始まった…
今日の授業が終わったら保健室に行ってみるか…
一度伸びをすると現代魔法史の教科書を開いた…
…
…
…
「ナイトメア…私の時計持って行ったでしょ?」
「時計か…そんなに大事なものなのか?」
私は保健室に来ていた…
ユリウスとグレイは他の仕事で出かけてるようだ…
当たり前でしょ!あれはアリスから…
「アリスから貰った時計だったのか?それは失敗したな…しかし、君はこれでブリーズに参加しなくてはいけなくなった…」
この夢魔…いやいやこの学校医は何を考えているのだろうか…
只でさえ面倒で参加したくないのに…
「まあ、良いわ…ブリーズの夜が楽しみね…ナイトメア…」
時計を取り返したらさっさと部屋に戻ってやるんだから…
「本当に盗られたのはそれだけかな…?」
「それは…どういう…」
それはブリーズの時のお楽しみだと言うと…
ゴーランドの特別授業に行くよう促される…
ちょっと不信感を覚えつつも再び校舎に向かう…
私が部屋から出た後、ナイトメアは静かにほくそ笑んでいたという