• テキストサイズ

DREAM or REAL【テニスの王子様】

第7章 それぞれの想いはーー



『俺な、混乱しとるのは確かやし、内容が現実離れしてて全部が全部信じてへんねん。多分まだ疑ってるんや』

《仕方ないよ》

『ーーけどな、二人が嘘付いてない事も、紗耶の涙も本物やって分かっとるよ』

《…うん、ありがと…》



ソレは、確かの俺の本音で、それでも、彼女らの言葉に嘘がない事も信じてるんや。

俺が彼女たちを知っているなら、思い出してやりたい。

でも、…思い出したいのに、何かがソレを否定するように

頭に霧が掛かり、それを拒絶する。

ーー早く、思い出さなきゃいけないのに。



『ーー…っ、』

『紗耶?』

『…ーーご、……ぃ、ご…』



ひたすら繰り返される跡部の名前に胸が締め付けられた。

その時、紗耶の手が何かを握り締めてる事に気付いて

ソレを彼女の手からそっと抜き取った。



『…何や、写真?』



その写真を視界に入れた途端、俺の中の霧が

ジワジワと薄れて、消えて行ったーー。

そして、脳裏に浮かんでは消え、再び浮かぶのは、



『ーー…ははっ、…なぁーんで、忘れてたんやろなぁ…』



学校も性格も違う、6人で共同生活をして、

泣いて笑って、怒って怒られて、それでも楽しかった、

俺たちが、彼女たちと過ごした、3ヶ月間の

鮮やかで、輝いてた、そんな夢のような日々ーー。



『すまんかったな、紗耶。でも、ちゃんと思い出したで…?』



彼女の頬に指を滑らせ、零れ落ちてた涙を拭った。

この涙を流させたのは、紛れもなく自分達だ。



絶対の後悔
(キミに、伝えたい事があるんだ)


/ 120ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp